第3話 魔界?!まじか、そんなもんほんとにあるのかぁッ!!
「パンパかパーン! 姫様、オメデトウございます! ついに、結婚相手発見ダスね」
何と稲光がした召喚ポスターから、魔法使いみたいな格好をし、身長50センチほどで藍色の瞳をしたものが現れた。何やら手に、でっかいペンとタブレットのような物を持っている。
「な、何だぁ? また変なのが、ポスターから出てきた!」
少年は驚嘆し、数歩また後退する。
「ピット、ありがと」
姫様は、可愛い声でいい、ニッコリと笑顔を見せる。
「我輩は、ユニ姫様、専属の宮廷魔法画家、ピット・レ・レッジェレなるものダス」
「宮廷魔法画家?」
少年は瞳を見開き、ゴクリと唾(つば)を呑む!
「ユニ姫様、早速でございますが、ムコ殿発見と致しまして、婿殿と、記念撮影画を描きとう御座いますダス!」
ピットはすんなりとタブレットを展開し、大きなペンを構え、描く体勢に入る。
「そうね、えっと、まだ、キミの名前、訊いてなかったね、あたしは、ユニ・ローザアマラント、魔法の国テスタのお姫様です。よろしくね。キミは何ていうの?」
ユニは笑顔で返し、可愛い声で言う。
「俺は、輝里利勇馬(きりり・ゆうま)、ゆーまでいいよ」
少年は、照れくさそうな面持ちで返す。
「あれ、あたしと頭文字同じだね、やっぱり結ばれている者は、運命的な愛があるのね♡」
ユニは、嬉しそうな面持ちで勇馬の手を握り、上下に手を握ったまま動かし、ポンポンと飛び跳ねる。明るい姫様だ!
「ほんとだな。偶然にしても、出来すぎてる気がするが……」
怪訝な面持ちでゆーまは、ユニを一瞥する!
「うふぅ。じゃぁ、ゆーま、許婚(いいなずけ)発見、記念撮影しましょ!」
「き、記念撮影?」
ユニが、にこやかな笑顔をみせ、ピットがいた方を振り向く!
「ピット、魔法タブレット展開して!」
「了解で御座います、姫様。魔法タブレット展開!」
Pon!
魔法タブレットが小さな状態から大きくなり、手で持てないくらいになった。そして、それは見事に宙に浮いていた。
「魔界を想像するダス!」
そういうと、ピットの藍色の瞳が淡く光りだした。
「相変わらず、典型的なやつじゃ!」
ラクリが嘆息気味の声で、突っ込みを入れる。
「ま、魔界?」
ゆーまが、おいそれといい、固唾(かたず)を呑(の)んで眼をパチクリさせた。
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