婚約破棄するのならこれでも食べてなさいっ!!

一ノ瀬 彩音

第1話 これでも食べてなさい!!

私には大好きな人がいて、しかも婚約もしているのに

婚約している人から婚約破棄されちゃうのです。


今は婚約破棄のお話をしている最中です。


「南、ごめんね。婚約破棄しちゃうの」


「えっ? えっ?」


「戸惑っているかもしれないけど、ごめんね」


私はいきなり婚約破棄されている事に驚いています。


どうして婚約破棄されないといけないの。


今まで尽くしてきたのに婚約破棄されるってまずいじゃないの。


ここは何としでも婚約破棄させるのを止めさせないといけない。


「びっくりしたけど、婚約破棄やめて」


「南、それは無理なの」


「どうして無理なのよ、春香」


「だってね、南と居るのが疲れたの」


「疲れたってどうしてよ」


「そのままの意味よ」


「私だって尽くしてきたんだよ、酷いじゃないの」


「酷くありませんっ!」


「むぅ」


私はぜんぜん納得いってないし、婚約破棄させるつもりもないです。


「絶対に婚約破棄はさせません」


「ダメです、婚約破棄します」


私と春香がお話してても平行線なので私は春香に鞄の中に入れて

持ってきているある物を食べさせます。


「春香に食べて欲しい物があるの、食べて」


「いいわよ」


「ありがとうね」


私は鞄の中からある物を取り出して春香に渡す前に

目を閉じてもらうしかありません。


「春香に食べさせてあげるから目を閉じててね」


「うん」


「じゃあ、食べさせるね」


私はある物を春香に食べさせるのでした。


ある物とは10倍キムチです。


食べた瞬間、春香はというと…………。


「ぎゃあっ、めっちゃ辛い、こんなの無理、無理よ」


「ちゃんと食べてね」


春香はなんとか食べるのですけど、今にも倒れそうな感じで

まずい状況でした。


「なんて物を食べさせてくれるのよ!」


「婚約破棄する春香が悪い」


「私は悪くありません」


「じゃあ、もういいよ、春香が婚約破棄したいならすればいいじゃないよ」


「そうさせてもらうね」


「春香の馬鹿!」


私は春香に婚約破棄され生きる希望がないというより活力がない。


一体どうすればいいのでしょうか。


私はこの先はお先真っ暗でしかありません。


新しい恋愛する気力もございません。


人生というのは時に残酷なものです。

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婚約破棄するのならこれでも食べてなさいっ!! 一ノ瀬 彩音 @takutaku2019

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