第3話
峰子の職場は、ユニット型で、利用者一人一人、個室があり、基本的にトイレ、入浴、食事は共有スペースで行う。
最低限のプライベートは守られるが基本的には、ドアに鍵はかけない。
利用者二十人対して常時、四人の職員で対応していく。
中でも大変なのが、歩く認知症の方への接し方だった。
当然、危ない時に、危ないと言っても聞いてはもらえない。
食べることを忘れる人や食べた事を忘れる人、昼夜が反対になる人は、夜中の徘徊が半端ない。
投薬やおむつ交換に、危害を与えられていると被害妄想し、叩いたり、つねったり、蹴ったりする利用者も少なくない。
介護士が利用者を叩いた、蹴ったは、ニュースになるが、その何十倍もの暴力を介護士が受けていても当然ながら、ニュースにはならない。
介護の現場は、ある意味、忍耐と奉仕と抱擁の精神がなければ成り立たないと峰子は感じた。
何事に対しても腹を立てては成り立たない。
常に冷静に、平等に、それこそ介護の精神を持って向き合わなければ、利用者との関わりは難しい。
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