第二章 オイカゼヨウイ

(1)冗談なんかじゃないんだけどな

 旧校舎の裏手に回り込んで、もう一度だけ、周囲の目がないことを確認してから、秘密の窓をくぐった。

 このあいだと違うのは、飢えている理由。ベクトルが反対を向くだけで、顔がひどく過熱気味。階段の踊り場でスカートの裾を直した。これがドレスだったらいいのに。プリーツはあるのだし。


 いつからここにいるかも分からない思い出たちが詰まった教室に入る。ここで『食事』をすれば、ささくれ立った床に染み付いた色んなものを味わうことができると思っていた。まさか、自分の思い出までもが生まれることになるとは思わなかったけれど。


 日焼けで黄色くなったカーテンをそっと捲ると、本校舎の方から、もう、彼が向かってくれているのが見えた。ガラスの靴を用意していないのは、ちょっぴり、ごめんなさい。

 代わりといってはなんだけれど、めいっぱいの勇気を込めた。『旧校舎で』の四文字は、私にとって、『好きです』や『愛してる』の四文字と同じくらい大切に搾った言葉。あんなに指先が震えた後なのに。盛っているとドン引きされてしまわないかと、今さら膝が笑い出す。


 一番綺麗そうな机を引っ張ってきて、椅子を下ろす。あらわになった机の表面に、コンパスか何かで、バカ、と彫ってあった。アイスの当たりくじを引いた気分だ。そうです。だって、子供だもの。この机の主は予想をしていたかしら。いつかの未来、このメッセージを目にする相手が、『かわいそうな子』って親に呼ばれた人間だってこと。


 ほんの二文字の手紙をお尻の下に敷いて、足をぶらぶらさせていると、ほら。王子様の足音が聞こえてきた。あ、でも。王子様の相手はお姫様であって、私じゃあない。お姫様は灰をかぶっても、吸血鬼みたいな穢れた真似はしない。けれど、そうなると彼も王子様でなくなるわけで。ん、哲学。まあいいや。シンデレラのパラドックスは一旦置いておいて、今は、集中。深呼吸。


「いらっしゃい、栄助さん」


 声をかけると、彼は教室の前で固まってしまった。人の顔見て口をあんぐり。失礼な。


「どうしたの。扉は空いているのだから、入ってよ」

「……その扉が空いているということに驚いているんだが」


 一週間ぶりに聴く低い声。やっぱり、好きかも。長谷堂先生の方は、仮面を付けたついでにヘリウムガスでも吸ってきたみたいで、堪えるのが大変だった。笑ってはいけない吉字高校二十四時。かけること、五日。


「どうやって入った」

「一階の、トイレ側から三枚目の窓を開けているんだ。一枚目と違ってバレにくいでしょう」

「意識の外だったな。開けていない以上、戸締りをする必要はないと思っていた」

「おやおや、職務怠慢だ。いーけないんだ、いけないんだ。せーんせいに、言ってやろう」


 露骨に困った顔をするのが嬉しくって、もうちょっと囃し立ててみる。お帰りなさい。彼はクールを装っているつもりみたいだけれど、けっこう、表情に出る人。そして、来週までさようなら、長谷堂先生。

 歌い終わるのを待ってくれてから、栄助さんは大きく溜め息を吐いた。


「君が言えたことか」

「そうだね」


 踏み出してくれた手を取って、ワルツを踊るように、椅子の方へと誘う。食虫植物のようだと思った。実際、今から食べさせてもらうのだから、もしかして、そのものかも。

 とん、と胸板を押す。彼はゆっくりと腰を下ろした。一瞬抵抗したのは、男性としての矜持かしら。かわいい。


「悪い子には、おしおきしなきゃ」


 鼻と鼻がくっついて、吐息が混ざる。レモンのタブレットか何か、食べてきているみたい。ふうん、期待してくれていたんだ。タバコの匂いと柑橘系の香りが混ざると、まるで渋い皮の部分を擦り付けたみたいな色っぽい苦さになって、首の後ろの辺りがきゅっとする。

 意外と睫毛が長い。澄んだ瞳に映る自分を見ていると、なんだか面映ゆい。ちょっと充血してるかな。一週間、お疲れ様でした。


 でも、もう一仕事。頑張ってくれると、嬉しいです。


 アイコンタクトでおねだりすると、栄助さんは少しの間目を閉じて、眉間に皺を寄せてから、にいっ、と歯を見せた。


「そうだな。それなら……俺の血を舐めろ」

「それ、いい。すごく、すごく素敵」


 おしおき、つまり罰。まるで、汚いものを舐めろと言われているみたいで。けっしてそんなことないのに。それでも、貴方の言うことだから思い込める。そう信じられる。命令されるのって、ゾクゾクする。

 だからお礼に、今回はシャツのボタンを外すところからご奉仕してあげる。けれど、何せ初めてのことだから、指がおぼつかない。ブラのホックを外す男性の気持ちってこんな感じなのかしら。そりゃあ、スマートに外せる方が、格好よく見えるはず。


 最後、首元のボタンを外したところで、栄助さんがさりげなく、背中を浮かせてくれた。彼女がいたことを聞いたのはこっちだけれど、何だか慣れているみたいで、ジェラシー。前言撤回。スマートなのも考えもの。


 ジャケットごと肩から袖へ下ろしていって、前回いただいた、二の腕さんと再会した。一週間も経ったのだから当たり前なのだろうけど、もうほどんど治ってしまっている。治りかけの肌はステーキの断面みたいで、きれい。


 けれどやっぱり、本当のところは。


「どうした」

「ううん、何でもない」


 自分の痕跡が消えてしまったようで寂しかったなんて、言えない。言ったら、彼はきっと優しくしてくれるから、だめ。これはあくまで、あってはならない関係。ここが秘密の場所でも、彼氏彼女のそれと同じように思い上がってはいけない。

 ギリギリのところを綱渡りするピエロに徹する。気取られないように小さく深呼吸。


 カサブタが残っているところは、つまり、幸いにも、薄墨冬子わたしが深く刻まれた場所。丁寧に剥がすと、じわっと栄助さんが滲んできた。キスをする。


「冬子は、脱がないのか」


 いやらしいお誘い。でも、あともう一歩。脱げ、って命令されてみたい。脱いでほしいの、と訊いてみると、彼は呆れたような顔をした。


「制服が汚れるだろう」


 ああ、なあんだ。そっち。


「ん、大丈夫。血って、洗えばけっこう簡単に落ちるんだよ?」

「知らなかったな」

「だと思った。さて、ここには栄助さんの素直な心に付け込んで、小賢しくも下着を買ってもらった、イケナイ女の子がいます」


 唇に付いている彼の味を舐め取ってから、彼の体温に覆いかぶさる。耳の縁を舌でなぞると、びくっと反応した。そう、そのまま、よく聞いていて。


「だから、もっと。おしおきしてよ」


 囁くと、腰に手を回してくれた。彼の領分に入れてもらえた。彼はここぞというとき、私の欲しいものをくれる。ほんとう、ずるい人。服の上からまさぐられているだけなのに、繊細な指先は心を直接くすぐってくるみたいで、下唇を噛んで耐える。


「声、聴かせろ」

「あっ……ふ、だめ、ずるいよ、栄助さん」

「口答えするな」


 もしかして栄助さん、けっこうサディスティックかも。

 不意打ちを食らって、もたもたしていると、今度は逆に、耳を甘噛みされた。


「こんな、滲む程度じゃあ足りないだろう。もっと味わえ」


 最っっっ高。あの日、見つかったのが彼で良かった。それでは、お言葉に甘えて。

 首筋からキスで辿って、鎖骨、肩と、時間をかけて二の腕に到達した。ぱっと見た感じ、イケメン俳優のように、ザ・筋肉がついている、というタイプではないのだけれど、歯を立てた瞬間、ぴくっと手に力が入ると、奥の方に眠っていた栄助さんの男性の部分が盛り上がる。そうなると、口を開けているのがしんどい。はしたなく大口を開けて、彼の匂いを吸い込んだ。


 エタノールを出しておくのを忘れていて、顔を離す。栄助さんが無愛想に「構わない」と言った。声色から支配者が消えている。きっと、照れているのは彼も同じなのかもしれない。

 もう少し愉しんでいたかったけれど、それじゃあ、主導権の交代。


 柔らかい傷痕に前歯をあてがって、ほんの少し力をかけながら横に切った。自衛隊の官舎に住んでいた頃、近所の子が二人、迷い込んできた野良犬に噛まれたことがある。腰が抜けて動けなくなった子より、逃げようとして腕を振り回した子の方が傷が深かった。それを目撃していた経験が編み出した野性味溢れる技。なんて話したら、変な顔をされるかしら。


 お邪魔します。細い傷口の表面をなぞって、だんだんと、彼の中に入っていく。この間、後ろ暗さ満載メンヘラ全開で衝動的に貪った時は気づかなかったけれど、食べさせてもらう、と決めてかかると、食への感謝というか、彼にも良くなって欲しいと思う。埋め合わせで彼に尽くすんじゃなくって、この『食事』という前戯に、私の全霊を注ぎ込む。なけなしの想いだけれど、相手が栄助さんなら、ずっと湧かせられる自信がある。


「気持ちいい?」


 伝わっているか教えてほしくって、訊いてしまう。量には自信があるけれど、質にはまだちょっと、ないから。彼の前だと、臆病な自分を隠すので精いっぱいだから。

 栄助さんは、真剣な眼差しを宙に彷徨わせてから、視線をくれた。


「よくわからないな、傷口は」

「むう。そこは雰囲気で、頷いてくれてもいいんじゃないの」

「俺はマゾではないつもりなんだが」


 うん、それはさっき知った。


「けれど、敏感な粘膜なのは同じでしょう」

「どこで覚えてくるんだ、そんな言葉」

「んー。今、かな」


 これまで誰かと付き合ったこともないのだから、使ったこともないし、そもそもこんな言葉を使うかどうかも知らない。そりゃあ、ネットでそういうの、見たことあるけれど。記憶にある限り、そういうところからの出自ではない。

 だから、言うなれば、これは貴方のために生まれた言葉。貴方の前で使う、私の裸の顔。きっと、こんな臆病な心は見抜かれているのかもしれない。だって、彼もおんなじだから。


 何でもしようと言ってくれたあの日が、栄助さんとのはじめましてだった。最初は驚いてカッターを手放せなかったけれど、彼の瞳は、どこかこの世のものではないような気がした。

 光の届かない深い海の底で見る宝石。綺麗なのに、輝くことを忘れている、生きた屍。


 一目惚れって本当にあるんだと、分かった。


 デートをして、より理解した。彼と私は、似ているようで真逆だった。誰かを愛せるはずがないと、仮面を被り続ける彼。誰にも愛されるはずがないと、仮面を被ることさえやめた私。臆病になっている対象は同じなのに、こうも違う。


 だから、ちょっとだけ頑張って、背伸びをしてみてる。気づいているかな。貴方のことを知りたくて、貴方にもっと近づきたくて、そろそろ私、地に足がつかなくなりそう。

 知れば知るほど、その高さが分かる。深さと一緒に倍速で拡がっていく。今まで知らなかった世界。カッター片手にアブダクションと唱えたら、心がキャトルミューティレーションされてしまった。次は一体どうなってしまうのかと、ドキドキが止まらない。解剖台の上で、栄助さんを、大人の恋を。教え込まれるのを期待してる。


 再び腕に口づけをしたとき、不意に頭を引き寄せられた。


 左の耳を胸に押し当てた体勢のまま、右の耳をそっと、耳たぶを折り込まれるように、彼の手のひらで塞がれる。


「せっかくの『食事』なんだ。集中しろ」


 湯舟に潜りながら発した声みたいに、骨と皮膚を通して、声が直に伝わる。全身が繋がってしまったような気がして、その接着面である耳は、溶接でもされたみたいに熱を持って、じんじんと腫れた。

 耳たぶを血液が流れる音のリズムが、徐々に彼の鼓動へ引き寄せられていく。よく、女の子の間で、仲が良い子や同じ部活の仲間の生理が感染うつる、なんて言い方をするけれど。きっとこれもそう。強い引力を持つ方へシンクロしていくんだ。


 浸ってしまいたかったけれど、こんなところで狼狽えて固まってしまっては、せっかく握った主導権をふいにしてしまう。意地っ張りな舌使いで仕返しをする。

 血を啜る音が口の中で反響した。耳を塞がれているせいで、逃げ場もない。

 キスもこんな感じなのだろうか。私がまだ、したことのないキス。


 本当のところが知りたくなって、口を離した。限界まで走ったあとのように息をしながら、栄助さんという酸素を求めて首をもたげる。彼はちゃんと迎えてくれて、私は人工呼吸で一命を取り留めた。


 両耳を抱き締めてくれた栄助さんは、上の唇と下の唇を交互に挟むように優しく慣らしてから、一歩ずつ侵入してきた。初めてのディープキスは、奇妙な感覚。彼にエスコートをされて、しっとりとホールドで馴染まされてから、ボールルームダンスを踊るように舌がうねる。体が浮くようなターンを決めて、裏側をとん、とんとタッピング。されるがままの私の舌は、まるで自分のものではないみたいに動き、その度に、ステップの靴音が脳に響く。目を閉じれば、もう彼の中に入ってしまったようで、今にも溺れてしまいそう。


 息継ぎをする度に感じる、レモンの匂いと、鉄臭い血の後味。その奥に、栄助さんのタバコの香りがした。これらすべてが彼の中にあった、彼を形作るものなのだと思うと、のぼせてしまう。


 唇を離すと、彼の唇にうっすらと、くすんだ赤色のキスマークがついていた。


「この間と、違うタバコの匂いがする」

「ああ、あの時はピースを吸っていたからな。普段吸いはマルボロだ」

「へえ、いいね」

「いいねって、お前。まさか煙草は吸ってないだろうな」


 一瞬しゃしゃり出てきた長谷堂先生を追い返すために、むっとした顔をしてやる。


「吸わないよ。でも興味はあったから、色々調べてる。マルボロは名前の由来が素敵だよね」

「気にしたことがなかったな。どういう意味なんだ」


 呆れてしまう。知ったかぶりをされるよりはマシだけれど。そういうところ、ほんと男の人ってロマンに欠けている。こちらとしては、貴方に近づきたい一心だっていうのに。


「名前の由来は『Man always remember love because of romance only』の頭文字。『人は本当の愛を見つけるために恋をする』、なんだって」


 私たちみたいだね、と笑って、ブラウスのボタンに指をかける。さっきから、ポリエステル越しに触れているところがじれったい。

 袖を抜くと、栄助さんが息を呑むのが分かった。


「この間くれたもの、着てみたのだけれど。どうかな」

「よく似合っているよ」

「む、なんか淡白。せっかくお披露目したのに」

「悪かったな。朝から透けて見えていたから、この瞬間が待ち遠しかったよ」


 そう言って、助平な手が伸びてきた。おへその隣あたりから指先でつうっと辿り、肋骨を越えそうになったところで身を捩る。


「だめ、待って――」

「待たない」

「や、ほんと。無理だから、待って」


 パッと飛び退くと、栄助さんはお預けをくらった犬のような目で抗議してきた。可愛らしいから、しばらく放置してみたいところだけれど、こればかりは、私が悪いので補足する。

 鞄から包帯を取り出すと、彼は納得してくれたのか、ほうっと息を吐いた。


「今日は、先に手当をするのか」

「だって、この間は気になって仕方なかったんだもの」


 視界にちらつく罪悪感は塞ぐに限る。ロールの留め金を外して腕に巻いていると、栄助さんはポケットからハンカチを取り出し、口元を拭ってくれた。


「あら紳士。やっぱり、けっこう付いてたんだね」

「ああ。気になって仕方なかったよ」


 そんなイジワルを言ってから、彼は「やっぱりということは」とぼやきながら、自分の口を拭いてしまった。それも、ハンカチの折り目を返して。やっぱりイジワルだ。

 だから、意地でも困らせたくなる。


「処女を喪失したみたいで、興奮するでしょう」

「しないな。口紅が滲んだようで、せいぜい、地味に怖いくらいだ」


 むう、強敵。


「けれど、男の人って、相手が初めてだと嬉しいものだと聞いたよ」

「初体験の相手を務めさせてもらうことが光栄であるだけで、別に悦楽を見出しているわけじゃあないな」

「へえ、そうなんだ」


 耳よりだ。なるほど、それならば、純潔を奉げる甲斐もあるというもの。


「栄助さんがその気なら、私の全てを奉げるのだけれど」


 囁くと、栄助さんは露骨に厄介そうな顔をしてくれた。


「冗談はよせ」

「冗談なんかじゃないんだけどな」


 長谷堂先生はお呼びではないというだけ。あくまで肩書は肩書。社会的な何かを測る目安とはなっても、心を量るものとは全く別の器なのだから。


 それにしても、ほんと、強情。どうやら彼にとっては、私の血への欲求に対して身を差し出しているだけで、それがイコール愛している、ということにはならないらしい。クラスの男子なんて、女子からのちょっとしたボディータッチ一つでだらしない顔をするっていうのに。それがどうだ。ここでは男女の形勢が逆転して、少し濃厚なキスを教えられたくらいでクラクラきちゃっているのは、恥ずかしながら私の方。


 それとも。やっぱり栄助さんは失恋がきっかけで、そういった関係になることを拒んでいるのかもしれない。肉体的には許すけれど、精神的にはプラトニック、ってやつ。そういえば、クラスの遊んでいるタイプの子が、体は許してもキスはNG、なんて話していたっけ。それに近いのかな。


 こちらとしては、栄助さんの想いの多寡はこちらで量るから、私から近づくための抜け道くらいは残しておいて欲しいものなのだけれど。

 そうでないと、彼は愛することだけではなく、愛されることまでできなくなってしまうから。


「こっちは、気持ちいいんでしょう」


 努めて色っぽい女性を演じて微笑む。イメージは、オトナな感じの有名女優さん。

 スラックスを脱がす手に、彼が抵抗しなかったことは一安心。まだ抜け道はギリギリ通れそう。細く淡い光を手繰っていく。その先にあるのは、禁断の果実。齧って傷を付けてしまわないように、渋い香りのする皮に、唇で挨拶をする。


「くっ……ふ……」


 栄助さんが歯を食いしばった。私には、声を聴かせろなんて言っておいて。ずるい人。そんなところで発揮されるプライドなんて、なんにもカッコよくないのだけれど。そんなメッキを剥がすために、かぷっと頬張ってやる。


 ふと、彼の元カノの話が過った。一層、モヤモヤした。こっちの味を知っているのは自分だけではないのだ。なんて、顔も名前も知らない女性に嫉妬する。

 どうやら私は、自分で思っていた以上に、欲深いみたいだ。

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