第32話 衛星と恒星

デブリ回収船フリッケフライ号が航行中に皆既日食を見た。

「うぉー!スゲーな!」

環境の窓越しに操縦士席に座るコニが驚いた、

「あんまり此所に居づらいからこのまま加速します」

艦長席に座るセラはそう指示を出し航行した。宇宙船は止めるにも進もうにも推進剤がかかる為そのまま進めた、

「なー地球の夜は月が見えるけど火星は何が見えるんだ?」

コニの質問にリッカが答えた。

「火星はダイモスとフォボスが見えるのデス」

「2つもあんのか?」

「そうデス」

「何で衛星の話をしてたんです?」

月とダイモスとフォボスは衛星で在る、

「いやさ、地球の昔の御話しでは満月の夜に何が起こり得るって話だよ」

宇宙で暮らしてるセラには理解し難い話かも知れない。

「科学的に判明した点だと人間の脳の神経系統は普通は右耳の信号は左脳に左耳は右脳に伝達されるが満月の夜だけ右耳は右脳に左耳は左脳に伝達されるんだしかもこの状態は無自覚何だ」

オペレーター席に座る博識なアイネはそう答えた、

「てっ其だけか?」

「そうとも」

「オレてっきり満月の夜は狼男が出るてっ話を」

「何時の話です?第1人狼は架空です」

「其処だけ言って見たかったけどさ」

コニが少しだけ間を開けて。

「そういえば何で満月や新月とか月の満ち欠けが起きるんだ?」

「その辺りだけど。月の満ち欠けは太陽の光の当たり形に関係しているんだ。太陽に照らされてる所から光りそうで無い所から影に成るんだ」

「なら新月は太陽と月が重なると新月なのか?」

「それは皆既日食に成ります」

コニのその一言にセラは思わず突っ込んだ。

「因みに私の故郷では純夜の影夜があるんだ」

「なんだそれ」

「それはですね~2つの星のどちらかが皆既日食と同じ事が起きるとそうなるんです~、普通の夜が純夜で~皆既日食と同じ現象が影夜なんです~其にしても」

「?」

リボートが首を傾げた、

「人狼さん怖いですね~皆を騙して殺すんですしね~ガウガウがおーって」

「昔の宗教でも月の満ち欠けに何かしらの因果関係があったからな」

「ファンタジーモノの中には確かそんな事も有りました」

「月と太陽。恒星と衛星色々あったり無かったりするんだな」

フリッケフライ号艦橋では珍しく仕事の話では無かった。

end

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る