第30話 どちらか何て
フリッケフライ号船長セラはあるものを見て悩んでいる。
視線の先にはソーラーセイルの新モデルで有る、
恒星の光を使い推力に変換するシステム。
フリッケフライ号にも装備されてるがこのタイプのはギザギザに折り畳むタイプの為そんなに広くは出来ないし部品の点数が多くなる。だがこの2つはその問題を解決し尚且つ更に広範囲に展開出来るとの事。
1つ目は『ソーラーセイル2』と言って、
薄いアルミ箔でコーティングした幕の類いでロールしたした物で以前のそれより展開時には大きく広げられる、
…余談だけどもソーラーセイル2を作ってたメーカーはこれの他にも簡易宇宙服を生産していた。その簡易宇宙服とは何かと言うと普段は小さく折り畳められて便利で裾が大きく広がるロングスカートのドレスを着てもそのまま着れるがいざ使った時の見た目は怪人布団男か怪人ハンペン男と言える位の見た目だった。
四角いほーふの真ん中にジッパー、反対側に小型酸素ボンベジッパー側の近くに視認用のビニールの窓と成ってる2つ目は『ソーラーパック』と言って、
構造は一般のワイヤーに小さなソーラーパネルが等間隔に貼られてる。
展開時にはワイヤーを伸ばしパネルが連なって広がる様に成ってる。
ただこれも一長一短が遭って。ソーラーセイル2は強度は以前よりも脆く穴が空きやすいのだ、デブリが漂う場所で使えない理由は其処なのだ、
ソーラーパックは破損したパネルを順次破棄すれば良いのだが其だと性能が落ちるのだ。
「うーんうーん。でもなぁどっちもどっちだからな~」
そうセラが悩んでいると、
「おや?セラ君か?」
「なっアイネさん!今の見ました?」
「ああ、バッチリとな」
「え、え~と此は」
「その新型のソーラーセイルの事だろ」
「…まぁそんな感じです」
「今のコニが見たら笑っただろうな」
「そんなにからかわないで下さいよ」
「新型のソーラーセイルは買わないのか?」
「買いません第一買ったとしてもどうやって付けるんですか?それに今のままでも十分です」
「それなら私に良い考えがある。どうせなら両方いっぺんに買ったらどうだね?」
「そんな簡単にってアイネさん何処に?」
アイネが何処かに歩いたのでセラは追いかけた。
デブリ回収業者貿易ステーション内に有る販売店。ここでは宇宙船関連の商品が色々有る、セラはよく燃料とクレーンアーム用のグリス以外でコンテナやロケットブースター等を売っては買い込んで組み上げ直したのだ。
店のカウンターにアイネが着くなり店員にこう告げた。
「ソーラーセイル2とソーラーパック貰おうか。カードは?」
「ウチは何時もニコニコ現金払いの…」
「小切手ならどうかね?」
アイネはおもむろにな小切手を取り出してカウンターに置くと、
「毎度あり~」
店員は小切手に値段を書いた。
「ええっ何を! 」
「何って買うに決まってるからだろ、船長には最大の感謝をしないと」
「ですから買っても何処に付けるんです?」
「其処は提案があるから大丈夫だ」
購入後、
フリッケフライ号に2つの新型ソーラーセイルが取り付けられた、
ソーラーセイル2は折り畳み式ソーラーセイルの代わりに接続されソーラーパックにはロケットブースター先端近くに装備された。
装備後、宇宙空間にて。
フリッケフライ号の2つの新型ソーラーセイルが展開した。
後部から上下に大きく銀色のロールが伸ばされ前部から左右に放射線状にパネルが一枚、一枚広がった。
2つの新型ソーラーセイルの光輝く光の羽が輝けそうに無かった、
早速セイル2に穴が空きパネルに1枚がひび割れた
「どーすんだこんなんで!」
艦橋に居るコニが怒るのも無理は無い。
end
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます