第29話 後編┗┻┛
フリッケフライ号艦橋のモニターにはプロキオン星系第三惑星プロキオス第2王女シリナティーア=アルフェア=プロキオスは第1王女と成ってからの戴冠式が中継されてた。
足首に達する長さの銀髪の頭の上に金色の王冠が乗せられ其処で演説が始まった。
まず先の身内の訃報、次に宇宙が新天地と成りうる可能性。等々だ、
だがフリッケフライ号クルー達は、戴冠式の事はどうでも良い様な感じだった。
と言うのは数週間前の事、
マリア=クロードの研修の最終日。
民間で運営している宇宙船教習ステーションで宇宙船活動免許Aクラス試験の合否の通知の結果、
見事合格した。
合格の後Aクラスライセンスを取得したのだが、
内容の一部に食い違いが起きてる。具体的には名前だ。
名前の部分にマリア=クロードとは書かれずシリナティーア=アルフェア=プロキオスの名前が記載されてた。
その事をセラは問うと、
「驚いた?まさか私かあの時のだなんて?」
「嫌まさかと想うけど貴女がシリナティーアとは」
「私の事はシアと呼んでねコニちゃん」
「あのネツチヂミソウはプロキオン第3惑星に存在しないからもしやと想っも言わなかったが」
「そっ、ウチのなの」
「ええっ…ええ!」
「あ~そんな固く無くて良いのお兄ちゃん」
「何でセラをそう言うんだ?」
コニの質問に。
「秘密です」
とはぐかされた。
「…?」
シアの動きをカイアは観察していたら違和感に気付いた。
具体的にはお腹周りの服のシワ、だいたい体を覆う様に服を着てもその中の体に因って引っ張られたりする。
だがシアの場合は服のシワがおかしい、
特に腰に手を当てた瞬間。一気に食い込んだ、
まるで大部分が空洞の様だ。
「あの~シア様?」
「?」
「貴女の腰はどうなってるのですか?」
「ああここの事?」
シアは腰に手を当てると其所が空洞の様だった。
その次にブラウスお腹側のボタンを幾つか外して上に上げた。
服の下の腰が異様に細い。
それは最早砂時計に等しいと言える、
「私の腰のサイズは20cmなの~」
「「「「!!!!」」」」
セラとリボート意外の女子が唖然とするのは無理も無い。更に腰を反らした際、コニ程では無いが自己主張の強い胸部装甲が一度上下に揺れた。
反らした腰を戻して言った。
「お陰様でこの経験が全部が大きく変われるからそれではねお兄ちゃん」
そう言ってブラウスのボタンを閉じ合わせて背を向け何処かへ歩き去った、
其から大体今。
「それで何で教えてあげさせないのか今解りました。同一人物だからだろ!」
「…ま、そーなんだよ」
セラはコニの顔をじっと見詰めたがコニは懸命に視線を反らした。
「そんな事よりこの通販の箱の中身は誰が注文したんデスか?」
数日前にフリッケフライ号に届けれた通販の荷物。
個人のモノらしいが誰が注文したのか。
突然艦橋内で何かが千切れた音がした、
結構近いので誰のか直ぐ解った。
「又腰に変な腹巻きか~?」
「も~アイネちゃんてっばまた腰にコルセットで締めて」
「あっ止めて漸く40cm代に成ったんだ。取り上げ無いで!」
「そんなの着けなくても別に気にする程じゃないじゃんか」
「ううっ…」
通信士席に通信のコールが鳴った船長席に座るセラは通信士用の受話器を取った。
「ハイ此方は…ええっ!!!!!」
「セラ、驚いてる」
「そりゃ無理も無いですよ!何故なら相手はシア何ですから!!」
通信士席のモニターと通信用のモニターの両方に豪華な衣装に王冠を被り玉座に腰をかけるシアの姿が映っる。
『フリッケフライ号の皆元気?私は仕事で凄い忙しいけどまたこうして会えると良いね、そうそう私の乗船する宇宙船の名は白銀のシャイニア号と言うんだよ』
シャイニアとはプロキオスの言葉で『妖精の女王』の意味が有る。
その宇宙船の最大の特長は嘗てシアが第2女王の時に事故に遭った際非常用カプセルに逃げ込んだ事で助かったケースから其処を疎かにしがちな前国王の宇宙船と違い緊急時には艦橋をモジュール式脱出装置を採用したとの事。又船長を含む乗組員の座席も非常用カプセルに成ってて宇宙服を着てないまま艦橋に来ても対応出来る様に座席の背もたれの1つ1つに簡易宇宙服が仕込んで有る。
レーダーに何か反応が有った様だ、
アイネは直ぐに取り掛かった。
「レーダーに反応、民間の宇宙船と認識識別信号は…白銀のシャイニア号」
「ええっ!!!!!」
通り過ぎる様な感じでシャイニア号が航行していた。
白銀と名付けからなのか、真っ白な宇宙船だった
フリッケフライ号と同じく艦の後方上部に艦橋が有り其が緊急時には宇宙船として機能する様に成ってる、
白銀のシャイニア号の構造としては後方上部に艦橋が有り艦首から鑑後方までは鑑に必要最小限な物が殆どを締めその鑑後方にも大型バーニアが装備され左右には大型ロケットブースターを上下2基計4基が連結されてた。
その後その宇宙船はレーダーに反応が有った後ただ通り過ぎそのまま去って行った。
「何の反応も無かったな~」
「ああ、間違いなく処女航海だろう」
「…そうですよね」
フリッケフライ号艦橋に暫しの安堵が流れた、
end
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます