第28話 前編
研修にマリアが来て四日目。
宇宙船の操舵の仕方も板に付いてきた。
最初はコニが担当してたが大雑把過ぎて無理が遭った為、アイネが担当した。
「…良いかいマリア君?まず無重力空間の宇宙では一度加速するとそのままの速度で進み続ける。一定まで進むとメインスラスターは噴射を止めて待機にしておくんだ」
「ハイっやってみます!」
ロケットブースターを噴射して数分加速した所で噴射炎が止まった、
「しかしアイネは教えるの上手だな~」
「コニが大雑把過ぎやがるデジよ」
「メインジュネレーター。温度。上昇」
クレーンアーム操舵席に座るコニと通信士席に座るリッカが話をしてたら機関士席に座るリボートが艦の温度を報告した。
教えるならセラがやろうかとしかだ何故か二人に止められた。
マリアが時折セラの事を『おにっ…』と言いかけた事からコニとアイネはマリアの名は偽名の可能性が高いのだ、
船の操舵をマリアが行い数分後。
「前方にアステロイドベルトを確認」
「横断します」
コニの時とは違いスマートな軌道を描いて抜けた。
「アステロイドの通過を確認」
「姿勢安定、再加速」
数時間後、
無事にデブリ回収を終えて寄港先の宇宙港で停泊する事に成りフリッケフライ号のクルーは回転式居住区で寝る事と成った、
その時間帯にアイネが1人トイレで起きた、
用を済ませた後。戻る途中女子更衣室で何回か擦れる音が聴こえた。
直ぐ音のする方へ駆け寄よると着替えをしてたマリアが居た。
手には短い紐を持ってた、其を自前のゴミ袋に要れると。徐々に長く成った、
アイネの存在に気付いたのかマリアは頭をアイネの居る方に見返る様に向けた。
「もしかして起きました?」
「いいや初めて気付いた、其にしてもマリア君其れは何だ?」
「此は私の故郷で自生するネツチヂミソウなんだ」
食中植物やテッポウソウ等のごく一部の植物は動いていたがこのネツチヂミソウは熱を一定以上貯まると放熱の為、縮めて放熱しやすく成ってる。当然熱が一定以下に成ると元の長さに戻るがネツチヂミソウの弱点は摩擦に弱い為其を保護する為に別の繊維で覆ってもやがては擦れて摩擦で脆く成る。ただこのネツチヂミソウの群生地は、
「…」
「…言わないんだ?なら一本どうぞ、私50本持ってるの」
アイネは無言で手に取った、
翌日、
この日たまたま仕事休みのだった、
具体的な理由が寄港先の宇宙港で港側の燃料の配給が渋られた為だ原因が燃料に使われる施設がテロの攻撃を受けたのだ。襲撃直後はPMCが防衛に入ったが入金を渋った事が理由で民間の作業員達より先に逃げられてしまい結果好き勝手に暴れられてしまい燃料が貰えないとの事。
詰まり出発したくても燃料が無ければどうにも成らないのだ、
銀河連邦は直ちに何処かの企業に燃料の依頼をした、
フリッケフライ号内の食堂。
燃料の補給が出来るまで皆が休息を取ったり違う仕事をしたりした中、
椅子に座ったアイネがだらけてた。
仕事人間の彼女だからこそのモノだが座った姿勢のままに成っててテーブルに寄りかかれない。
理由が腰にコルセットをしていて腰が固定されたからだ、
「…はぁ…労せず程よく絞め続けて、漸くの40cm代だ」
1人だと中々出来ずカイアには止められた、
アイネは自分の腰に手を当ててその細さを感じた。
すると何かが千切れた音がした。
「…まさか!」
アイネは慌てて更衣室に入った、
コルセットの前の留め具が千切れたのだ、
「…」
予備のコルセットはカイアに没収された。
自前で作るしかないか…
時折アイネットが何処からか布を集めては自前のコルセットを作ってた。
其だけ腹筋を気にしたのだろう、
end
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