第24話 流星群
デブリ回収船フリッケフライ号は獅子座流星群の予測ルートに居た。
希少な鉱物資源を求め隕石を片っ端に探す者が居たが。ただ漂うだけの隕石ならまだしも流星群に出くわしデブリの仲間に成ってしまう危険が遭った、
セラ達の今回の仕事は流星群の中に紛れたデブリの回収。
複数のクレーンアームを操作出来るセラはフリッケフライ号艦橋に居る、
高速で飛来する隕石の位置情報を正確に把握する為オペレーター席に座るアイネは何時も以上に忙しい状態になる、
カイアはクルーの怪我を懸念して医務室で待機している。
コニとリッカは20式汎用作業用機器に乗って出た、リボートは宇宙服を着て船外で待機していた、
『流星群のアプローチまで後何分だ?』
通信機越しにコニが確認をした。
「推定到達時間後10分を切った30秒後に9分を切る」
『細かいな。大体に成らんのか?』
「無理です流星群は決まったコースに近いコースでランダムに漂っているんです!」
『コニは良いデスけと。私は無重力でデブリ回収は大変何です』
リッカの操縦技術は無重力化ではコニやセラに劣る為、リッカには危険に感じたのだ。
「20秒後に残り5分を切る」
アイネが流星群到達迄の時間を伝えた。
「残り4分を切った」
「3分」
「2分」
「60秒を切った」
「30秒…10.9.8.7.6.5.4.3.2.1...到達!」
直後に宇宙空間に大量の隕石が飛来した。
隕石の中に金属のデブリが見つかった。隕石を拾おうとして遣られたのだろう、
今回の仕事内容から広域展開式の金属網では直ぐに隕石で一杯に成る。
ならどうするかと言うと。宇宙船の外装の素材がだいたい金属なので中に磁石の仕込んだラクロスのラケットに似た物で回収するのだ。
コニの機体には宇宙用のバーニアが増設されたがリッカのはその上にシールドが装備されてる、20式の正式な物では無く金属片をただ繋ぎ合わせてシールドに見立てただけの物。
コニの操縦技術なら其処まで苦には成らないがリッカの場合は極めて危険な為に盾がいるのだ。
無重力の宇宙空間でデブリ回収は慣れてるが流星群の中でそれをやるのは危険な為かフリッケフライ号は流星群外縁で作業を行った。
数分後、
フリッケフライ号コンテナ内にて、
リッカの機体に装備したシールドに傷がいっぱい付いてた、
高速で動くデブリで傷が沢山ついてたのだろう。
金属限定ならもしかしたらこのアイディアは使えるかもと想った、
後日。
セラは自作のシールドを制作した。
具体的な仕組みはシールドの表面に電磁石を組み込んだ、
一寸した金属片なら磁力に吸い寄せられる。
ただ場所を考えると補助腕を使うとは言え金属の塊の類である盾を持つ事を鑑みると無重力での運用が望ましい、
そうなると地上用金属吸引器がいるかも知れない。その辺については割愛、
後日。
宇宙でのデブリ回収の時の事、
リッカの機体に装備された金属吸引板は思わぬ活躍をした。
金属のデブリなら向けただけで勝手に引き寄せられる。
背中にバーニアを付けただけのリボートは小さ目のデブリを集めてた。
リッカの機体が自身に近づくと、
それ以上近づかないでとボディランゲージで示した。慣性の影響からか其なりの厚さの有る胸部装甲が柔らかく揺れる。
アンドロイドであるリボートが金属吸引板に近づくとそのまま引き寄せられるからだ。
それに気づいたリッカは動きを止めた。
フリッケフライ号コンテナに金属吸引板に沢山金属が磁力で引っ付いたリッカの20式が着艦する、
着艦後。金属吸引板に張り付いた金属のデブリがコンテナ内で漂う。金属吸引板に張り付いた金属が全部外れると、
また離陸した。
今回はこの自作新装備が思わぬ活躍をした。
end
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