第20話 R.D.R (レースデバイスレーシング)
フリッケフライ号艦橋のテレビでレース番組の中継を見ていた、
「...っっしゃっ!!一位だ!!」
映像越しで見ていたコニが応援していたレースデバイスが一位になったら事に喜びを隠していない。
「良くそう言うので一喜一憂しますね賭けて無いのに」
「賭けて無いから喜び安いだろ」
セラの突っ込みにコニがそう言い返した。
「早く走ったり早い乗り物に乗るのは人間が速さを求めていたからな」
オペレーター席にゆったりと腰を掛けたアイネがその様に返事をした、
「...そう言うモノなのですか?」
「そうなのだよ」
セラのそんな疑問にアイネははっきり言った。
レースデバイスとはR.D.R(レースデバイスレーシング)でしようされる機体でその名の通りレースの為に設計されたモノだ、
R.D.Rはレースデバイスのレース競技大会の名称の事だ。その歴史は以外と古くある様で、
昔は作業用デバイスを使っての手作りレースから始まり、
毎週土曜夜の改造作業用デバイスでの暴走行為。
そうして行く内に正式な大会が開かれる様に成って来た。
4足歩行の探査用デバイスから派生したレースデバイスならではのレース構成は自動車じゃ絶対無理な垂直に近しい坂、
崖、
深い川、
谷底、
等々。
だがそれらは探査用デバイスなら楽々超えられるのだ。
今回のレース会場はセラの故郷でも有る地球周辺のスペースコロニーが会場と成ってる。
円筒形の内側と惑星出身者達は他かをくくってたが。
現実は残酷だった、
コースの構成だが。
スタート地点から環境再現区間~ミラーを通す橋~住宅地~ミラーを通す橋~作業用デバイス教習区~ミラーを通す橋を3週する構成に成ってる。
島3号型コロニーだと光を取り入れる箇所が3ヵ所有るわけで其所をチェックポイントとして必ず通らないと失格とされるのでコース構成に問題があったのだ。
中継映像を見てセラが有る事に気づいた、
2本脚で走ったレースデバイスが四つん這いに近い姿勢から肘膝に車輪を出した、
「変形してる!」
「何か気付いたようだけども変形しても問題無いんだよ」
セラの反応にアイネがそう諭した。
「ただバーニアには制限が有るんだよな~」
コニがそう愚痴った、
レースデバイスはバーニアの推力や燃料にはレギュレーションが儲けてあるその為長くは飛べないのだ。コロニー内は中央部が無重力空間なのだ、
他かをくくって出鼻挫いたのだ。
「其れにしても今回のレースで抜かされたレースデバイス、リグリットに似てねーか?」
コニが大笑いしてたがアイネは複雑な表情で苦笑いしてた、
それもその筈、
コニの言ってたレースデバイスはリグリットの制作メンバーが協力したモノで平坦な地形のスピードは高いのだが。今回のコース構成は想定出来なかった、
「一位は20式に似てやがりますね」
リッカがそう指摘した。
製造元が同じのだろう、
20式汎用作業用機器を暫く前に購入していたがフロッガのメインエンジンがとうとうガタが出た為泣く泣く2機目を買う羽目に成った。
「此処まで人気が有るのけど」
「けど?」
「何処かの馬鹿がAFのレースもなんて言った馬鹿がいたんだぞ!」
コニが以外と怒った、
「全く馬鹿らしいね、作業用デバイスは
仕事の道具ならあれは兵器だ」
アイネが呆れた顔ぶれで言った。
「昔などこぞの役人が有るものの民生利用の審査にこんな条件を提示したんだ『全長10m以上、可動箇所マニュピレータを含め10箇所以上、最高速度1250km以上』だと」
「そんなの広い宇宙で名指しされなくてもAFしかねーじゃん!!」
コニが驚くのも無理は無い。
「きけんなの?あーむどふーみらーてきけん?」
リボートが首を横に傾げ上目遣いで言ってきた。
「軍用兵器ですからね」
「後、リボート!ふーみらーじゃなくてフォーミラー」
確かにアームドフォーミラー(AF)は兵器としては強力過ぎる高い火力と高機動性。
「...フオーぴらー?」
「フォーミラー!」
「ふのーみらー?」
「フォーミラー!」
リボートが正しく発音出来ないのをコニが訂正している。
end
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