第18話 20式汎用作業用機器
薄紫の作業用デバイスがお釈迦に成った為其を貿易ステーションで下取りに出して最寄りの商業コロニーへ向けトラクタシャトルのままでフリッケフライ号は航行した。
宇宙船の面積が大きいとそれだけ停泊しようにも金がかかってしまいその辺の事もあってか輸送用のトラクタシャトルでも問題の無いならそれで済ます事があった、
スペースコロニーの両端側に必ず有るドッキングベイの内ミラーの根元側へ停泊した。
商業用コロニー内の作業用デバイスディーラー店へ向かって歩いた。
作業用デバイスディーラー店。
店に入る際に店員が「いらっしゃいませ」と返事をされたがセラは余り間を置かずに言った、
「そちらで販売されてる20式汎用作業用機器はありますでしょうか?」
「ええ、有りますが」
「幾らで?」
「ええっと...おおよその値段は」
その値段を聞いてセラは驚いた。
リッカが伝えたよりも値段が安い。
「アレ?お値段...では?」
「それはフルオプションセットの場合ですね」
そう言って店員がカタログを出した、
「...ホバー装備、宇宙用装備、ロングクレーンアーム」
土木用ドリルアームから深海活動用耐圧殻等もあったりする中でアイネがカタログの有る部分を店員に尋ねた。
「ここに書かれてる『Aモデル』は何だね?」
「それはメインアームとサブアームの操作を切り替え無しで操作出来る特別なバージョンですね、このバージョンですとパイロットの負担が大き過ぎるのですが。此れが出来るのは多重情報処理能力をお持ちの方しか無いですね」
この時点で該当するのはセラ1人のみ、
「...ノーマルモデルフルオプションセット1機で」
「はい、畏まりました。折角ですから試乗みませんか?」
「だったらソレ俺が乗る!試して見てーぜ!」
「作業用デバイスは子供のおもち...」
店員さんが言いきらない内に店員の手をコニが噛みついた。
「ぎゃああああああああ!!!!!」
「店員さん申し訳ないです、ドラスの女性は多くがそういう体型何です」
「...そっ。そうなんですか、では試乗を」
店員は噛まれた手を隠してセラ達を案内させた。
案内された先に有る鎮座した20式に試乗した、
セラが試乗した際、確かに高性能だがどれ程かは問いかねた、
一方コニが試乗したら。
「うぉー!すげー!こりゃすげー!」
子供の様にはしゃいだ、
「どうでしたか?」
店員さんの問いにコニが答えた。
「レスポンスが戦闘デバイス並みに匹敵する位良いしバーニアの出力はリミッターを外したフロッガを優に超えてる」
「それはそれは大変有難うございます」
「しかも野外換装が可能だろ?物凄いなコレ!」
その後。
タイプ20を購入した。
機体カラーは勝手に変えられたら駄目なので黄色のままだ。
早速コニはタイプ20でデブリ回収を行った、
オペレーター席に座ってるアイネはAモデルの絵をじっと見ていた。
「どうしたんです?」
セラがアイネの様子を見てそう尋ねると。
「このAモデルの事だがサブアームが複数有るようだな」
Aモデルのタイプ20は完全な人型に腰部前面に1対胴体後部に1対のサブアームが増設されてる、
本来の用途はメインに対する補助、なのだが。コレだと脚の代用にも成りそうな気がした。
作業用デバイスとソレを軍事用に転用した戦闘デバイスの原型は元々は4足歩行の探査デバイスが原型と成ってて、重力の低い所で4本脚の内の2本で立っていた事が始まりらしい、つまりは大体の作業用デバイスと戦闘デバイスは逆立ちが可能との事。
流石にアイネは考えすぎるのもとして目線から外した。
end
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