第15話 ワルツの様に踊る惑星 〇〇

フリッケフライ号は惑星シルヴァランドに降りた。目的は回収するジャンク目当てだ、

浮上自走砲リグレット20機と全領域対応惑星間戦闘機リグリット20機何れも軍の払い下げの物ばかり。

幾つか回収出来たのでこのまま離陸しようと思った時。

身なりから貴族の類いとも言える人がこう尋ねた、

「その機体は何処へ売りにだされます?」

「全部を貿易ステーションで売りに出しますが」

「デブリ回収業者ですか?それならリグリット1機を購入したいのですが」

「リグリット1機、20億に為ります修理費は15億はかかります」

「それなら構わん」

「それより何で購入を?」

「君には知っての通りと想うがリグリットは陽電子砲を装備が出来た事が」

「ええ、知ってます」

「忘れては成らない戒めを含めて動態保存をしようと思ってたのだ」

セラは何処の誰かは尋ねないが。

アイネが昔。当時の科学者達によって高度に発展したらしい地球の技術を独自で再現していた、

で、リグリット1機は武装は外した状態で売った。

コンテナ内でセラは改めて想った。

リグレットとリグリットが幾つか似ていた、

共通しているのが機首から天面までをなだらかな曲線で繋がってる。

今まで見た戦闘機は玩具のSF戦闘機を大きくしただけの感じがしたがリグリットはそうでは無かった。底面の箱状の出っ張りリグレットだと此れがそのまま半重力発生装置の類いなのは分かる、

その辺についての事はいいとして。後は離陸なのだが、ナビゲーターの表示が最初に向かったコースと明らかに違ってた、

「今のコースのままだとテセレアに引き寄せられるんだ」

オペレーターを担当したアイネが設定した模様。

「あの、それはどういう事です」

セラが質問するとアイネだけで無くカイアも答えた。

「シルヴァランドとテセレアの空が繋がってるのだよ」

「宇宙へ出るより簡単ですの~」

「あの2つの星はワルツを踊る様な軌道をとっているよね?」

「ええっ確かに、僕もそう見えました」

「宇宙では解らないが、セラ君」

「?」

「日照時間が地球の半分位の2つの惑星の以外な特徴が」

「2つの星の大気が瓢箪の様に繋がってるのです~」

「ええっ!!」

セラが驚いた。

「その為、その特異性から2つの星が互いに睨みあってるのだよ。そして異文化交流も有った」

「と言う事はガルサー社に居たあの...」

セラが最後まで言おうとしたら。

「ハーフの存在は何処かの時点でそうなった様だな」

「それにしても引き寄せられるとはどういう事です?」

「そこだけ一定以上高度を上げると~重力が凄くあやふやになるんです~」

セラの故郷のスペースコロニーでも重力を得られるのは内壁だけで回転軸の真ん中あたりは重力が無く気流のみが残った、

「それにしてもどうやって行き行き出来たんだ」

コニがその辺りの質問をした。

「ロケットなるモノで行ったそうだ、ただそのロケットは大気圏離脱や突入を想定してない往来だけのモノだ」

「シルヴァランドと言う星の文明は一体どうなってるてやがんすデス?新しい工具を探すのも一苦労デシタ」

リッカは何時もの工具類が流石にいい加減ボロけたのかジャンクを探す際に探そうとしたが中々見つからず苦労した、

「ここの星の文明は伝統をおもんじるんでね新しいものを中々作ろうとはしないのでね、ただ銀河連邦と加盟後は近代化を進めていたらしい」

「今度の新しい工具の請求はアイネに回しますからねスッ」

「そうしても構わんよ」

「ではそのコースで出発開始です」

フリッケフライ号は次元転換を行い重力と大気の影響を無効化して離陸を開始した離陸して数分後。

フリッケフライ号が宇宙を出た時、

2つの星の間に輪の様なモノが見えた。

地上に居た時は太陽よりも大きく見せた星で判らなかったが、アレが星と星の間に大気が繋がったのだろう。

フリッケフライ号船長セラ=カインズは最寄りの貿易ステーションに向け航行の指示を出した。

end

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る