第11話 水の惑星∮

この日のフリッケフライ号は改装を受けてた。

改装する場所の関係上無重力で行う必要があった。ただ単に無重力なだけの場所はそうそう無く其れが可能な所と言えば。

そう宇宙空間その物。

セラとリッカは宇宙服を着て船外作業を開始したコニは作業用デバイスで作業を行った。

と言っても作業内容はフリッケフライ号の下段ロケットブースター底面、コンテナ底面、トラクタシャトル底面に追加フレームと筒状のモノを付けるだけの作業だ、

コニの乗る作業用デバイスが追加フレームと筒状の物を所定の所へ運ぶだけ。

所定の所に追加フレームを作業用デバイスで押さえてその部分にセラとリッカは固定作業をした、

固定を終えると 作業用デバイスは次の追加フレームを運ぶ為その場を離れた。

追加フレームの固定を半分終わらせると宇宙服の酸素補充の為に船内に戻った、

船内に戻るとカイアとリボートは補充用の酸素タンクを抱えてた、

カイアは宇宙服を着てたがリボートは着てない。

リボートはアンドロイドの為真空下では何の問題も無かった。

2人の酸素タンクを交換すると直ぐに船外作業を開始した。

追加フレームの固定作業を完全に終えるとまた戻った、

今度は筒状のモノを取り付けるだけだ。

コンテナ内に予め用意した追加フレームと一緒に入れた筒状のモノを固定器具を外して出した、

全部外してこれらを1つ1つ追加フレームに装備した。

コニは作業用デバイスから降りて宇宙服を着て船外作業をした。

セラとリッカは追加フレームに筒状のモノを装備する作業をしてコニは筒状のモノを所定の位置まで運んだ。

セラは筒状のモノの接続を終えて次のモノの接続を待ってた。

次の筒状のモノを持って来たのはそのままの格好のリボートだ、背中に簡素なロケットバーニアを背負ってた、

本来は宇宙服の上にベルトで固定する緊急加速器として使われるが、アンドロイドには追加オプションとして使えるのだ、

筒状のモノを両手で抱えて運んだ為か胸部装甲が押し潰れて目のやり場に困る、

視線を細かく注視して筒状のモノを受けとるとリボートは手を離した、離れた直後。体をあちこち動かして方向転換をした、

その際胸部装甲は柔らかく揺れないが括れた腰が柔らかく曲がり大きく海老反りをして向きを変えてバーニアを噴射した、

筒状のモノの取り付けを全て終えると次に貿易ステーションに向かった。

ステーションに入るとコンテナに次々と荷物を積んだ。

コンテナに積み終えるとステーションを出た、

艦橋でセラはクルー全員にこう言い出した。

「此れから向かう所は風土病の予防接種を終えてから出港しますので医務室に来て下さい」

「...え?」

アイネが唖然とした表情をした。

トラクタシャトル内医務室。

「はーいでは注射しますね」

「あっお願いします」

カイアの手に持った注射器がセラの腕を刺す、刺した直後にワクチンが体内に入った、

「はーい、終わりました」

「...一寸痛かったです」

「ではつぎの方~」

セラが医務室を出た後、次がコニ次がリッカだけども最後に接種するのが。

「...では行ってくる」

アイネが何故かトラウマを思い出したかの様な表情を浮かべ医務室に入った。

アイネが医務室に入って数秒、

『い~った~!!』医務室の外からアイネの悲鳴が聞こえた、以前はそんな声は出さなかった。

医務室からでたアイネは憔悴していた、

「...」

セラはかける言葉や労いの言葉が出しにくかった、

アイネはその足で艦橋に向かった。

艦橋、

船長席に座るセラは通信師席に座るカイアに小声で話した。

「あの時のアイネに何があったんです?」

「ふふっそれはですね」

医務室でカイアが注射器を取り出してアイネの腕を真っ直ぐに伸ばした途端、目をギュと閉じて体を震えてた、注射器の針が腕に刺すとあの時の悲鳴を発した。

だからな何だ『その人だから駄目なんだ』は。

「航路設定水瓶座M2領域第3惑星へ」

「.航路設定開始」

ゼロコンマ1秒の沈黙の後アイネが返事をした。

「四次元空間転移準備」

セラがシステムを立ち上げ開始準備をした。

「.設定完了」

「空間転移」

フリッケフライ号は宇宙の片隅の片隅から水瓶座M2領域第3惑星衛星軌道上にワープした。

「次元転換降下開始」

「.了解」

「アイネもいい加減その口調治せよ」

返事が無いあのトラウマはそこまで深刻な様だ、

フリッケフライ号は大気圏を降下した。

その先に見えたのは何処でも続く水平線。

だだっ広い海の惑星だ。

その下に広がる海に幾つもの船が進んでる。

フリッケフライ号の目的は船団に生活消耗品を届ける事、

フリッケフライ号は海面に降下した、

海面に着水すると海面に浮かんだ、筒状のモノの正体はフロートだそれで浮かぶ事が出来た。フリッケフライ号のクレーンアームが1隻の船に触れて固定した。

コンテナの上部シャッターが開いた、セラが無線で誰かと話しをしていた、

「...はい...後は...」

「セラ~何話してるんだ~?」

「荷物の受け渡しは僕1人でも行えますから終わるまでは次の出港までは自由に出来ます」

「本当か!本当なのか!?」

コニが目をキラキラ輝かせた。

「ええ本当です」

「やったー」

コニは嬉しいそうに艦橋から出た。

その後。セラは作業用デバイス『フロッガ』でクレーンの先端の取り付け作業をしていた。大型船からのドローンやクレーンで次々荷物が運ばれたが終わるのに1時間はかかる、1時間後。コンテナの中が空に成って思い出すのは1人でデブリ回収をした時だろう、

以前デブリ回収船で仕事をした際には。がデブリ回収とは名ばかりな所だ、

具体的に言うと金目に成らないモノは簡単に捨てる所だ。

『イービルスキャプチャリングクルー』と名乗ったデブリ回収グループに昔は居た其処で作業用デバイスの操縦を覚えて先天的な能力に後のフリッケフライ号の様な複数人は居る複雑な制御を単独で出来たのだが彼等のやり方に愛想を尽かし其処を辞めて旧式のトラクタシャトルを購入して後は知っての通りで在る、その後イービルスキャプチャリングクルーはどうしたかと言うとある作戦で行動不能に成ったエクサスの主力AFサーガイアを救援と嘘ついてパイロットを殺害、それを何処かの犯罪組織に超高額で売り飛ばしたのだ。ただその代償は大きく拿捕されたのは言うまでも無い、

「おーい!セラー!お前も外へ出ろよー!」

開いたコンテナからコニの大声が聞こえた。

セラは外へ出た。

end

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