第8話 宇宙のホラー話
宇宙の片隅の片隅。デブリ回収船フリッケフライ号は今日も今日とてデブリ回収に勤しんだ。今回は古戦場から流れ出たモノを回収していた。
昔、戦争が遭ってデブリはそれらに由って招いたモノでもあった、
今回のデブリ回収地点に選んだのは銀河連邦首都の在る星系から扇状に広がる『GS首都星系航路42号航路』からN.W42地点区で行った。
宇宙での方向に関してだけど、
宇宙船の船首を基点にして正面をN、後ろをS左右を其々W、E、としている上下をT、Bとしている其々の方向に対する微妙な違いをアルファ、ブラボー、カム、デルタ、センターと決まっていたが所属や組織に因っては微妙に違ったりした。
ただ大体としてはabcdの文字のイニシャルが基本に成ってる、
船長のセラはコニの乗る作業用デバイスと共にデブリを回収していた4本のクレーンアームの内上2基をセラが行い下2基をリッカが担当した。
航行からデブリ回収を一元で行うフリッケフライ号の負担が減ったかと思ったかも知れないが寧ろ減ってない。
中枢のトラクタシャトルの全長が延長された事で面積が増えてしまい逆に飛来するデブリに因る傷が増えてしまうのだ。この艦にはビームシールドが搭載されてるが艦主前方にしか効果が無いのだ。
ビームシールドの展開面積はコンピューターの判断でクレーンアームの損傷を避ける事は出来るが面積の急な変化には直ぐには対応出来ない、しかもビームシールドの発生基が剥き出しだ、此でもし発生基に傷が付くと最悪機能しなくなる。
デブリを幾つか回収した時。
コニから通信が入った。
「セラ~こんなん見つけたぞ~」
モニター越しに人の生首みたいな物を見せた、
「ヘアカット用のマネキン見せないで下さいよ一瞬本物かと思いましたよ」
「紛らわしいですね~ほんと」
船長と医者がコニが見せた物に驚いた、
「船長人形見たいな登った物を拾いました」
リッカがクレーンアームのカメラには人の形をしたモノをアームの先端で丁重に掴んだ映像が写った。
「此れはアンドロイドの様だね、外装が殆ど無くなってるが直して張り合わせれば使えるか売りに出せると思う...がコニがマネキンを見せた時はあの時を思い出すな」
「あの時?あの時何があったんです?」
セラの疑問にアイネが応えた。
「私とコニが銀河連邦軍に居た時だ」
昔の事。
コニの乗る戦闘デバイス『M1ファイガーバスナスペシャル』がプラスタ級巡洋艦から発信した後だった、
M1ファイガーはどういう物かと言うと当時の銀河連邦軍の主力戦闘デバイスとして数機が生産されて援用されてる、
最大の特徴は両足大腿部前後にバーニア。側面に展開式の翼が装備されてる。
これに依り大気圏降下に専用オプション無しで降下が可能と成った、ファイガーの基本装備はビームガンとブレードを左右に一つずつ装備してある。
当時のコニの乗る専用機は両腕をブレードにして両肩にチェーンガンを装備してある。
迂闊に接近した敵をバラバラに粉砕する過激な装備がしてある。
通信モニター越しで当時のコニとやりとりをした時、
数秒だが1人しか乗れないはずの戦闘デバイスにもう1人が居た。しかも、
『たす...けて』と言って来た。
当時の作戦領域は沢山のコロニーの残骸にしかも撃墜された機体が漂う場所だ。
ふと...当時のアイネは艦橋の天井を見たら天井に人の顔に見える染みが見えた、更には艦橋の窓からヘアカット用のマネキンの頭が漂って居た、人の生首では無いと思う。
まさかとは思うまいと想い密かに持ち込んだコンパクトの鏡を使ってアイネ以外を見たら、当時の光明院艦長の肩に誰のか分からない人の手が見えた。
この時のアイネは言わなかった。
が後日、誰が盛り塩を艦の廊下に度々置かれてた、
「あの時は本当に怖かったな~」
その時の事まるで他人事の様に言った、
「嘘だろ!本当かよ!!知らなかったぞ!」
コニは体を震えてた、
「そう言えば廃病院は心霊スポットとしては有名ですからね~」
カイアの一言にコニは余計に震えてた。
「あっ!つい最近幽霊なら1つ在るデス」
リッカが手を挙げて言った。
内容がこうだった。
「フリッケフライ号でデブリを一通り集めた後コンテナの照明の電源を切ったら。中から小さな光がコンテナ内であちこち光って怖かったデス」
『『『『...それは』』』』
4人が同時に想ったのはまだ電源が生きてる発光ダイオードの光等だ、
因みにリッカの言った心霊モドキな事はどのデブリ回収船でも同じ事があると言う。
end
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