第5話 大禍色の風△
セシリア星系の惑星セレスの倉庫でフリッケフライ号の整備をセラは行ってる、
と言っても旧式のトラクタシャトルの整備を主にしている。
シャトル意外は幾つか繋ぎ合わせる事で大型化している様に見えるだけで実際はそうでは無いのだ、
重力のある場所で整備している為両手でしっかり持ってやらないといけないし落下の危険が在る。
ただその分飛び散る方向が幾ら勢いが在っても最終的には地面に落下するのだ、
まず艦の外装の点検から、以前コニがアステロイドベルトへ無理に通った事で艦のあちこちに傷が出来た。
凹んだ所は吸盤の様な物でしっかり覆ってレバーを入れる、
凹んだ所は元に戻した、次に表面の擦り傷は色スプレーで塗った後は耐熱材のコーティング材を塗って後は乾かすだけ、
次がトラクタシャトルのバーニア類、
メイン2基サブ4基姿勢制御8基。
この内可動式がメインが基部を中心に8方向サブは上下2方向姿勢制御は固定式、
ここは操縦管を握って動作の確認。
サブはまだ問題が無いが、メインは一部の反応が良くない、ここも整備すれば問題は無いけど微調整が難しい所なのでプロのメカニックマンを雇うかも知れない。回転式居住区のシャフトの油差しを済ませた後、
ふと。セラはコニの乗る作業用デバイスを見た。セラが使う作業用デバイスは黄色で塗装されたのにコニのだけは薄紫に塗装されたのだ。作業用デバイスは元々どういうモノかと言うと元は4足歩行の探査用デバイスが原型とされ何処かの誰かが4本脚の内の2本脚で自重で支えようとした為其所から発展して今の作業用デバイスや軍用の戦闘デバイスが開発された
その名残も在ってかこれ等のデバイスは逆立ちが出来るとの事、
セラが薄紫の作業用デバイスを見続けたらコニに声をかけられた。
「セラ~何見てるんだ?~」
「...コニの乗る作業用デバイスは何でまた紫にしたんですかね?」
「はぁ?それは私じゃないんだ。アイネが勝手にやったんだよ」
「えっ?」
「アイネが幼い頃に見た夕暮れの大禍時の紫色の空からあの色にしようと考えたみたいで私が連邦軍に所属した時に乗った戦闘デバイスの色を紫に塗られたんだ!夕暮れのオレンジ色だろうがよ!!」
そう言って偉そうにコニは府んぞり返り腰を反らした、
コニの言い分も半分合ってる様で合わない様な、
「其より何で紫色ですか?」
「...
「えっ?」
「だっ!かっ!らっ!おおまがとき何だよ!!あの夕方の紫の空を見ただろ!」
「えっ!...ええ」
「その事もあって紫色に塗られた上にバーニアのリミッターを外したオレの機体を見て同僚達が『大禍色の風』と言われたんだぜ!」
流石にセラはバーニアのリミッターの事は言わなかったが、
「後なアイネは昔。紫色に塗装したリグリットに陽電子砲を装備したものに乗ったんだぜ!」
「...」
セラは少しは言葉が出なかった、
陽電子砲はレーザー兵器やビーム兵器とは勝手が違うアレは発射後に放射能汚染を起こす危険なモノだ、
「まっ結局発泡しなかったけどな」
コニのそんな話を終えた後セラはこう指示した。
「メインスラスター1基の調子がおかしいので此方で外しますから支えて下さい」
セラの体に天井から垂らしたロープをハーネスで固定するとトラクタシャトルへ登った、
メインスラスター回りのカバーを外すしてコニの作業用デバイスがメインスラスターを押さえると次に固定する為のネジやナットを外して其所からメインスラスターを外すと、そのメインスラスターを床に置いた、次に同じ型のメインスラスターをコニの作業用デバイスが運んで所定の位置に固定した。ネジやナットで固定しようにもシャトル本当よりもスラスター側のネジ穴の本数が少ない、此れは旧式のトラクタシャトルと1人乗りのスターシップの製造元は同じだが用途が違うのだ。
その為足らない分を溶接するしか無い、
セラは溶接時の火花対策の保護メットのバイザーを下ろしレーザー溶接器で固定した、溶接を終えた後はカバーを閉じた、整備を終えた後はコンテナ、ロケットブースター2基、サブスラスター32基、放熱坂枚、クレーンアーム4基、ソーラーセイル1枚。
これ等を装備してフリッケフライ号は完成するのだが、
セラは装備作業は翌日にする事を乗員に伝えた、
たまには狭いベッドの中よりも広い所で寝た方が良いだろうと思ったのだ、
end
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