第13話 面倒だなんて言わせない
昼休みにどうやら倒堂くんは佐藤さんに謝ったらしい。
「まぁその、
お前の気持ちを蔑ろにして悪かった」
「え、そんな。でも、告白の返事は……」
「ごめんな。俺はお前とは付き合えない」
「改めて聞くけど、どうして?」
「お前はいつもそばで俺を見ていてくれた。感謝もしてることが山ほどあるし、お前のことは途中から異性として意識してた」
「……だったら」
「俺には好きな人がいる」
「え?」
「そいつはお前のために、友達のために怒ることができ、前にその子が失くした髪留めを一緒に探したことがある。その時も、一生懸命だった。俺はその子のことが好きなんだ」
「うん。分かった。ありがとう。
初めてまともに
こんな感じに佐藤さんと倒堂くんは仲直りできたらしい。
そして放課後、私は呼び出された。
〜 放課後 〜
「えっと……。話って何?」
「お前のおかげで、あいつとは仲直りできた。だから、気にしなくていい」
「え!? そ、そうか良かったね!」
私が笑顔で心からの言葉を返すと、倒堂くんは目を見開いてから顔を赤くする。
「そ、そんなことよりもだ。俺から伝えることがある」
「え、何?」
「お前のことが、好きだ」
「……?え、ええええ!」
「はぁ、やっぱりめ、!」
その時、また面倒くさいという言葉を使おうとした倒堂くんを黙らせるため、不意をついて私の初めてのキスでその口を黙らせた。
「……」
「私もあなたのことが好きです。大切な髪留めを一緒に探してくれたあの日から」
こうして、私は面倒くさいという言葉を初めて阻止することに成功したのである。
面倒だなんて言わせない! 歩く屍 @fb25hii
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