第12話 面倒くさい理由
何でああも怒っていたのだろうか。
俺の名前は
俺は……。
〜 中学2年生の時 〜
『す、好きです!付き合ってください!』
『ありがとう。でもごめん、好きって恋愛ってまだどういうのか分からないから』
『そ、そんな……』
『……』
僕はあの時も、心苦しくも真面目に断ったつもりだ。
なのに、どうしてだろうか。
『何で……返してよ!私の時間を貴方を想ってきた時間を返してよ!』
その言葉を俺に飛ばし、涙とともに逃げるようにしてその女子は去っていった。
俺はその時思った、面倒くさい。
ちゃんと答えたはずだった、なのに何で悲しそうな涙を見なくちゃいけないんだ。
そして数日後、学校でいじめをしていた女子が自分の事が好きで、目障りに思った
あの時は
彼女は笑っていたが怪我がとても酷かった。
いじめをしていた女子に関しても、好意に気づいていれば話す機会もあったかもしれない。
何よりいじめにまで発展しなかったはず。
俺は更に強く思った。
恋愛でここまで辛く、ここまで酷くなるのならば、面倒くさい。傷つけたくない。
〜 現在 〜
それなのに、あんなふうに怒られるとは思っていなかった。
友人の為に、自分の為に、あそこまで怒ってくれる人がいただろうか。
そして、自分の考えは間違えていたことに気づいた。気づかされた。
俺はただ傷つけたくないという身勝手な自己中心的な気持ちを、面倒くさいという理由で振りまいていただけなのかもしれないと改めて気づいた。
「本当に、面倒くさいな……。
明日、
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