第2話 面倒くさがり
結局私は、告白できずにそのまま授業が終わった後帰ってしまった。
しかし、好きな人に告白できずに終わるのはどうしても我慢できなかった。
そんな私は、昨日会ってくれなかった男子。
当の本人に昨日はなぜ来てくれなかったのか話を聞こうと2年E組の教室へと昼休みに向かった。
ついでに言うと私は2年A組で、私の教室がある階の一つ上の階に2年E組がある。
私は階段を登りきり、2年E組の扉を開いた。
「失礼します、
私は自然な感じで教室にいる人に声をかけた。
「あ〜、倒堂?。ほら、後ろの席いるよ?」
「ありがとうございます。え〜とあなたは〜」
「私?、私は倒堂と幼馴染の
分かったと思うが、
入学当時に祖母から貰った大切な髪留めを体育の授業の時間失くしてしまい、一人で探していたところを一緒に探してくれた優しい人。
その人に一言のお礼が言えずに別れてしまったため、一言お礼を言いたくて探し、一年の夏の時に先生にも聞いて探し当て、お礼を言った。
その後もちょくちょく会う機会があったのだが、すれ違う程度。
でもその彼を見ていると、次第に惹かれていき、優しい部分に私は恋をした。
そんな彼に幼馴染がいることは初耳だったので、驚いた。
聞きたいことはあるが、今回の件については謎なのでそっちを優先し、教室に入りついに話を聞く。
「手紙を出した
「あ〜、あなたが差出人の
「はい……」
こういった所も私は好きだ。
「あ〜、ごめん。面倒くさかった……」
? ? ワンモアプリーズ!
「すいま、せん。もう一度いいですか?」
「はい。面倒くさかったからですね……」
は!? え! え!?そんな理由で!? いや〜、聞き間違いだと思いたいんですけど〜。
「ここから体育館まで結構距離あるし、面倒くさい。それに用があるならここでもいいのでは?。っていうか用って何?」
ここは私のミスでした、ごめんなさい。
実は用があるからと書いただけで、どんな用があるのかを提示して……なかったのである。
「い、いやいや、でも、普通は何か用事があるんだったら気になることないですか?」
「いや、そういうこと考えるのも……面倒くさい」
「いや、そんな考え方する人が面倒くさ……いえなんでもありません」
「今絶対面倒くさいって言おうとしたよね。絶対。面と向かってそういうこと言える人ならあんな回りくどい事……」
その言葉の続きは聞きたくないと思い、私はその教室から全力で逃げたのであった。
ちくしょーーーー!
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます