面倒だなんて言わせない!
歩く屍
第1話 告白
背伸びをしたくなるような温かい日差しとついつい眠ってしまうような温かい風、耳をすませば小鳥のさえずりの声が聞こえる。
そんな春に青田木高等学校に通う私、
現在進行形でその好きな人へ昨日こっそり手紙を送り、大好きな恋愛少女漫画のように、ちょっとベタだけど12時15分に体育館裏へとその彼を呼び出すことにしたのだ。
今の時間は昼休みなので、教室で昼食を食べる人のほうが多いだろうし、体育館裏というこの場所であれば誰も来ないと思いここにした。
ただ、昼休みとはまぁ〜長くはない。
皆思っているとは思うが、昼休みというものはせいぜい一時間というご飯を食べるためだけに存在する時間である。
であるからして、制限時間は一時間。
授業に遅れるわけにはいかないので、しょうがない。
「まだかな〜」
告白すると決めたときから、この戦場でもう五分十分は胸の鼓動が高鳴り、勇気を出せるか自信がなくなってくる。
もうすぐ約束の15分。
顔はだんだん熱くなり、胸の鼓動は本人がいたら聞かれるのではないかというほど高鳴っている。
〜12時15分〜
「あれ?おかしいな〜、この時間って手紙に書いたはずなんだけど〜。?、まぁ用事があるのかもしれないし、もうちょい待ちますか〜」
〜12時30分〜
「ねえ〜、まだなの〜?。遅い、けどまだ時間あるし、もう少しだけ!」
〜12時45分〜
「な・ん・で・よ!?なんで来ないんじゃー!」
こうして、私にとっての戦場にはその想い人は来ず、さっきも言った通り授業に遅れるわけにはいかないので自分の教室へと準備してから授業へと走って行くのであった。
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