夜とヨルの思考

しとしと降っていた雨の音が

パラパラと打つように激しくなり

稲光がカーテン越しに見えた

脅かすような雷の音


いつの間にかグルグルと

思考が迷路に入り込んでいた

言葉と想いが皮肉にも

道を複雑にしてしまう


味方であったはずの夜が姿を変えて

別のヨルになってわたしを惑わす


カチカチという時計の音が

急に耳につきだす

敏感になった神経が

厭な想像を湧きあがらせそうになる


こんな時には考えすぎてはいけない

わたしの夜が戻ってくるまで


流れる汗を拭いたら

深呼吸をしよう

冷たく澄んだ水を一杯飲んで

動悸を沈めよう


ほら、少しずつ雷の音は遠くなる


大丈夫、わたしの夜が

もうすぐ戻ってくる

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