それでもどうか生きて

それでも、生きていて欲しいと思うことは

時に残酷なことなのかもしれない

心の痛みも身体の痛みも

傍からはわからないのだから

もし自分が……と考えた時に

耐えきることができる自信はない


断ち切る勇気がないだけで

わたしは生きている

立派な信念によるものなどではなくて

臆病なだけだともいえる

そんなわたしには人様の生死を

どうこう言える資格などない



心が柔らかであればあるほど

耐え難いものは多いのかもしれない

散った若い命にそんなことを思う



それでもどうか、君よ

それでも、生きて欲しいと

祈るように思わずにはいられない

もしも、今

その瀬戸際に立つ君がいたとしたら

どうか、どうか


君が存在しているだけで

それが生きる力になる

そんな人間がいるのです

傲慢な願いかもしれません

けれど許して欲しい

お願い、どうか君よ生きて


生きていてください。

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