此処にいるから

──例えば誰もがわたしを見捨てても

わたしだけは何処にも行かないから

つまらない奴だと愛想尽かしをくらっても

わたしは此処にいるから──


気を抜けば何かにすがりつきたくなるから

そんな情けないほどの弱さを

封じ込めるためなのかもしれない

だから

わたしはわたしに語りかける


” 怖がらないで ”


ガタガタと震える身体を

崩れ落ちそうな頼りない足取りを

支えることができるのは

わたし自身しかないから

どんなに怖くても


” 目を開いて ”


此処にいるから、わたしは

最期まで、わたしと共に


此処にいるから


いるから。

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