夏の初め

レースのカーテンをふわりと揺らして

うたた寝していたわたしの頬を

風が撫でていく


手から落としてしまっていた文庫本を

拾って栞を挟み直す


立ち上がって冷蔵庫を開けて

硝子コップに注ぐサイダー


コクンとひと口飲めば

シュワシュワ炭酸が喉を滑っていく


澄んだ青空にぽっかりと白い雲



台風一号が発生したらしいと

ニュースが伝えている


ああ

いつの間にかもう梅雨も近い

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