山の家へ

朝一番のバスは

さすがに人も少なくて

窓を少し開けたわたしは

風をマスク越しの頬に受ける


車内から見る街は

変わりがないようなのに

やはりどこか張り詰めて見える

乗る人のいないバス停が続く


いつもよりも少し早く着いた

いつもの停留所で降りて

ゆっくりと歩き出す

山の家へ向かうこの道


舗装されていない土を踏みしめる

緑の匂いを胸いっぱいに吸い込む

あちこちに野の花、タンポポの群生

さえずる鳥の声に耳を傾けて


此処はいつも変わらない

わたしの故郷ふるさと

疲れた心と身体を抱きとめてくれる


ただいま

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