三等星

指先まで思い切り伸ばして

爪先立ってみても

これで全部、精一杯

宇宙そらの隅っこで

わたしの存在は

虫眼鏡でも見えないような点みたい


それでも見つけてくれた

小さな三等星みたいな

こんなちっぽけなわたしを

どうしてわかったの?と尋ねたら

あなたは真顔で言ったの

光が見えたんだ、って


ああ、わたし光っていたんだね

仄かに小さく瞬きながら

誰の目にもとまることなんて

ないと思っていたから

見つけて貰えたことが

泣きそうに嬉しかったよ


キラキラと輝くことはできないけど

あなたが見つけてくれたのだもの

わたしなりに光っていたい

この広い宇宙そらの中で

あなたと寄り添いながら

精一杯、瞬いて

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