恥ずか死ぬ


リバ。いやいや、攻めと見せかけての受けもよし

何が言いたいかと言うと、イケメンでした

よくよく考えたら前髪を伸ばしてるキャラほど、其方BLの世界の住人さんだよ。お約束だもん


無駄に伸ばした前髪、

偶然掻き上げる所を目撃した同僚は心臓がきゅっと締め付けられて–––––


気付けばいつも目で彼を追っていた。


いい。実にいい。切なさと恋しさと、教師と教師の恋。踏み越えちゃいけない一線を越えるのは、生徒が帰った教室!エロいよぉ、


想像しただけでヨダレが出るじゃないか


しかも、自分しかしらない先生の素顔に優越感を覚えちゃうんだよ、攻めの男はっ


だって、長い髪を上げた先生自体がレアなんだから。いや、レアじゃなくてもレアを希望する



『私は花咲 美音みおんです、先生どうぞ宜しくお願いします』


妄想していたことが顔に出ていないかかなり不安を覚えつつ、軽く頭を下げた。元社会人舐めんなよ、ちゃんとした挨拶だってお手の物


間違っても腰は丸めて下げない。背中に定規が入っている、と思いながらのお辞儀。何通りか、お辞儀にも角度があるが、一番浅い会釈程度


社会人歴約四年。最初にお辞儀を叩き込まれたのは、もっと前だが職場ではいつも、御年配の方々に褒められた。意外と若い子達って猫背が多くて、職場の上司が手取り足取り教えていた。


今となっては遠い昔の様に感じてしまう、あらやだ年かしら




「つか、なんでお前此処にいるんだ?」


『?』


「ここの棟は選択教科の時しか使われねえ、教室がある校舎はあれ」


指差した場所をつられて見れば、窓から見える校舎が2つ。その内の1つを指していて、


『え?あれ?パンフレット見たのに』


「どんだけ方向音痴なんだお前」


鞄の中に入っていたパンフレット。道案内の図が丁寧にも描かれていて、それを見て歩いていたのだが


少しボーっとし過ぎてたかな


「ぶふっ‥‥くっくっくっ、どんな間違え方してんだよ」


『なっ!ちゃんと見ながら来ましたっ、こうやってパンフレットを回しながら、』



ツボに入ったのか肩を震わせる先生。名誉挽回したくて、身振り手振りで説明するも、墓穴を掘った事に気付かず、更に先生はゲラゲラと笑う


先生曰く、地図や図を回しながらくるのは方向音痴の特徴らしい。嘘だろ


この歳で迷子なんて痛すぎる。ナノは「身体は10代」と言っていたけど問題は精神だよ。恥ずか死ぬ


終いには笑い過ぎて涙を流したのか目元を拭うクソ野郎先生が「ついてこい、こっちだ」なんて言うもんだから、素直に着いて行く事にした。




だから先生は気付かない。


私の脳内パラレルワールドで先生がネコけ認定され、後ろから下半身を舐め回すように見ていた事を。


––––––––これを人は逆恨みという。

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