担任は×××

まじまじと見てしまう。失礼極りない行動。

分かっている、他人をジロジロ見るなんてされる方は不愉快極りないないだろう


でも、つい見てしまったのだ。だって、ここユズさんが作った世界。つまり、ユズさんが手掛けた人物たちがアハンウフンな世界を繰り広げる世界なわけで、



もしかしてユズさんが、ジャンル、というか趣向が変わった?


何冊もユズさんの漫画を集めていた私は、ただ違和感だけを感じていて無意識にも眉間に皺が寄る


無精髭にジャージ、ださいサンダルに、校内喫煙


今までのユズさんなら、触手、獣人、異世界もの、などなど。ユズさんがメジャーになる前の漫画では、オメガの連載ものがサイトに載っていた


だからかな、なんか、うん、学生もの自体珍しいのよね




見方を変えればレアだ。


もっと軽い感じで言ってしまえば、ユズさんが描いたキャラが息してて話して動いて、


この世界で生きている。


『先生』


「あ?」


『私、転校生なんですか?』


「––––––は?」



気の抜けたような、先生の声。ポロっと溢れた一言は、いや、質問の内容はチョイスミスだった。と、先生の顔を見て実感した


鳩が豆鉄砲を食ったような、そんな顔。数秒後には真剣な顔で「大丈夫か、お前」なんて言われた始末


この日、先生の中で私は残念な子認定された。とは余談話しだ




「お前は今日からうちの生徒。俺はお前の担任。あぁ、自己紹介がまだだったな。俺は、」


と、一旦言葉を切った担任は再び気怠げに告げた


「俺は笹山ささやま じん


落ち着いた声なのか、気怠げな声なのか判断しにくい声音のまま「ふぅー」と、息を吐く。


校内禁煙だと指摘したにも関わらずに、しれっと吸い続けていた煙草。息を吐くと同時に白い靄が出た


けれどその靄は長い前髪にも掛かり、鬱陶しげに前髪を掻き上げた担任笹山 臣の瞳が露わになった–––––––––




あ、‥‥これは間違いなく、

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