第68話 AIに囲まれた世界~2週間後に起きた世界では

『恐怖の巨大な大魔王が現れてから世界が2週間夜がやってこなくなり、本格的に世界が動き出した…』 


地下シェルターでは

『どうしました?』

『あれぇ、おかしいなぁ。最新式の多国籍ネットワークテレビが消えたなぁ。久しぶりに海外の情報でも調べようと思ったのになぁ?

まぁ、良いか。そろそろ、外に行きませんか?』

『いやぁ、まだ外に関しての情報がないからやめておきましょう?』

『なら、アンドロイドに頼みましょう?』

『そうだなぁ。アンドロイドに頼めば遠隔操作で外を見る事が出来るねぇ?』


しかし、久しぶりに外に出ると誰もが違和感を感じていた。

というのも、今までネオ東京にそびえ建っていた超高層ビルやマンションなどが消えていたのだぁ。それだけでなく、いつも持ち歩いていた最新式のスマートフォン、パソコンなど時代の最先端技術を駆使した生活家電さえも消えていた。

そして、コンビニさえも消えていたのだった…


『どういう事だぁ…。仕事で使う資料がパソコンに入っていると嘆くもの。連絡手段がなくなり、一斉に街に出てきてパニックになっていた。』


『あれ、おかしいなぁ。コンビニがこの辺にあったのに…確か、この道を進んだ左にコンビニがあったのになぁ。あれぇ、酒屋になっているなぁ。増川酒屋…?なんか聞いた事あるなぁ。昔、亡くなったひい爺ちゃんが言ってたなぁ。400年前は酒屋だったけどなぁ…今じゃ愛想が悪い孫がコンビニとかいうよく解らない店を経営してなぁ~っと言っていたなぁ。』


『あれぇ、おかしいなぁ。この辺にリニア中央新幹線の駅があったのになぁ…。もしかして、あなたもですか?』

『そうなんですよぉ。』

『とにかく、警察だぁ。行ってみよう。』

『そうだなぁ。行ってみよう。すいません。すいません。誰かいませんか?』

『しかし、警察には誰もいなくもぬけの殻だった。』

『とにかく、大きな公園に行ってみよう。ネオ東京から近い公園に行こう。ネオ東京国際公園に行ってみよう。』

『誰が言ったのかも解らずに、一斉に公園に向うとやはり違和感があった。調布港の看板や官庁や国会議事堂やネオ東京国際共有地基地や財閥の本社などあらゆるものが姿を消していた。』

『ちょっと待てよぉ。この2週間今までどおりに生活していたけど…昼間が2週間続いた間にもしかしてこれまでの最先端技術がリセットされたのか?』


『皆さん、近くの公園に集まりましたか?』と見慣れた恐怖の巨大な大魔王が現れた。

といっても、遠隔操作で来ているアンドロイドですよねぇ?

この2週間、私の方も色々と考えました…国境をなくすのか?それとも、今まで秘密裏に最先端技術を政府や軍隊などに提供してきた。例えば、インターネット、携帯電話、スマートフォン、ドローンなど数多くありますが、1度リセットして生活する事が必要だと感じました。

あぁ、それとこの時代は1996年です。

その為、この時代に住んでいる人も居ますのでくれぐれも未来からきた事は内密にお願い致します。

皆さんで何もなくなった生活での不便な世の中を生きてみて下さい。なお、皆さんにはこちらの公営団地を用意しました。

とはいえ、アンドロイドが生活するのですが…

仕事は今までどうりですが…最先端技術で動いていた車や電車は…乗ってみたら解るでしょ?では』


『はぁ?どういう事だよぉ。いきなりそんな世界になってもどうすれば良いんだぁ。もとの生活に戻せよぉ。それにいつになったら帰れるだぁ!』

『そうだぁ!そうだぁ!!』

『もうしょうがないなぁ!1週間滞在したら2389年に戻しますが…』

『はぁ?勝手だなぁ。』

『そう言いますと?』

『今まで、最先端技術を提供して自分の星を豊かにする為に実験的に星が犠牲になったのに?』

『はい、はい、そうですねぇ。しかし、あのままだと国境はなくなって自由になっても人間同士が疎遠になり温かみや愛情などがない血の繋がりではなくAIに管理されるのが幸せですか?それを未然に防ぐにはどうすれば良いか?最先端技術がない暮らしを経験する事が必要だと思いませんか?では楽しんでください。』



『たくぅ。まぁ、とにかく駅に行ってみよう!』

『えぇ?京王線調布駅って…。という事はこれからが始まるって…事かぁ。』

『それにしても、1996年だと何が流行っていたのかぁ?とにかく、インターネットが出来るところを探すかなぁ…まずは家電にでも行ってみるかぁ…。』

『あった、あった。ヤマダ電機かぁ。確か今は滅多にみないけど、この頃はコジマ電機とヤマダ電機が至るところにあったんだぁ。』

『いらっしゃいませ。こちらの商品は今がお買い得ですよぉ。最新式のマッサージ機です。』

『あぁ、なるほど…ところでインターネットが出来るパソコンはありますか?Windows95が出てますよねぇ?』

『インターネットですか?パソコンですか?申し訳ございません。当店では取扱っておりません。まだ普及率も3%にも満たないので後2〜3年程で普及すると思いますがメール機能が付いた携帯電話なら取り扱いがありますが…』

『あぁ、有難う考えておきますよぉ。』

『まぁ、とにかく職場にいくかぁ…。えぇなんだぁ…これは?顧客ファイルと黒電話って…なおかつ、ポケベルって…マニュアル車って…参ったなぁ。』

『もう、あなた為、何処に行ってたのですか?』

『あれぇ、昨日、伝えていませんでしたか?会社をリストラされてホームレスになるか心配で…』

『あぁ…例のお爺さんねぇ?既に、施設に入所になっていたでしょ?』

『そうなんですよぉ。あぁ…ごめんなさい。昨日、私に連絡がきてねぇ…』

『勘弁して下さいよぉ。』

『ごめんねぇ。その代わり、新しい顧客ファイルを手に入れたから変わりに上げるわぁ。』

『先輩!あぁ、良かった。知っている人がいて良かった。』

『えぇ。顧客ファイルを元に生活困窮者の訪問ですか…?』

『あなた達二人で頑張ってねぇ?100件あるから、事前にアポイント入れてから訪問すると良いかもねぇ…。では、宜しくねぇ。』

『ちょっと待って下さいよぉ。いきなりファイルを渡されても…』

『はぁ?一緒に3ヶ月間ちゃん研修して説明したでしょ。先週から一人立ちは難しいからペアでお願いすると伝えておきましたよねぇ?』

『あぁ、大丈夫ですよぉ。まだ、不安が多いだけですから心配しないで下さい。1人前にこの半年やってみますから…』

『そうねぇ…無理もないわねぇ?宜しくねぇ。』




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