第49話 AIに囲まれた世界~復興支援という名の隔離政策

『いよいよ、始まったなぁ…復興支援という名の隔離政策…』

『隔離政策?どうしてですか?』

『最近のホームレスの数はかなりの人数になったよなぁ。まずはその人達をまるごと中華国際共有地(台湾)で働く事になったのはニュースで聞いていると思うけど…軍事施設の掃除や食事などが主な仕事らしいのさぁ。それも、7年間は帰って来れないらしいよぉ。』

『えぇ!そうなんですか…』

『まぁ、どちらにしても、強制的に軍需産業や軍事施設に送ろうとして、ホームレス狩りを決行しようとしたのが復興支援という名に変更出来たのは政府にとってはラッキーだったかもなぁ。それに、徴兵制も1年伸びたし、海外から国際交流という名の多国籍の生活困窮の人とも中華国際共有地に来るし、なおかつ資金を出してハーバード国際大学まで建設して、仕事と勉強を強制して優秀な人を多国籍の軍で採用しようとしているらしいからなぁ。』

『えぇ?そうなんですか…少し、魅力的ですねぇ?』

『確かになぁ。今まで、多国籍の人と話す機会もなくて、留学しないでもその環境が整っているのは魅力的ではあるなぁ。だから、最初の3年間は語学学校で、中国語、英語、ドイツ語、フランス語、ヒンドゥー語を3 ヶ国をマスターする事が必要になる。その後はAIによる選別により各国の政府が資金を出して、ハーバード国際大学通称(IHU)国際政治学部、国際社会学部、国際医療学部、国際医学部、国際経営学部、国際防衛学部、国際心理学部、国際化学部、国際物理学部、国際情報処理学部などに振り分けて無償で勉強する事が出来るらしい。』

『なるほどねぇ…確かに過酷かも知れないけど…勉強出来る環境でなおかつ、次の就職まで叶えてくれるのは有り難いですねぇ?』

『そうかなぁ…語学を取得して語学学校卒業出来てもAIによる選別により大学に進学出来なければ多国籍の施設に収容されるらしい。それに大学を卒業するまでは監禁だよぉ。優秀な人でも世界的有名な大学のハーバード大学だよぉ。簡単には卒業出来ないだろうなぁ。それにこの環境には多国籍軍の幹部を育てる事や政府高官に育てるのが目的だからなぁ。』

『なるほどねぇ。そう言えば、日本でも同じような学校ありましたよねぇ?』

『あぁ…そう言えばあったなぁ。国際防衛医科大学だったなぁ。政府と有名な企業が資金を出して無償で誰もが入れる大学だけど…卒業までには同じく3ヶ国語の習得が必要だったねぇ?確か、5年以内に3ヶ国を習得しないと自衛隊に強制的に就職されるらしいねぇ?確か、最低2年は出れないらしいねぇ?』

『そうそう、そうでしたねぇ?しかし、そのコースでも、途中で脱落しても、早稲田や慶応など有名な大学に無償で編入というのは魅力的ですよぉ。それに有名な企業にAIの選別で推薦枠で就職出来るのはどちらにしても得ですよぉ。それに国際防衛医科大学は日本でも東京大学、京都大学に並ぶ優秀な大学ですからねぇ?それに無償ですからねぇ。過酷でも政府高官の夢が実現出来るなら入れたいですよぉ。でも、卒業までは最低10年は必要ですねぇ。』

『確かになぁ。語学が3ヶ国マスターしなくても、大学での一般教養が2年のところ3年もあるし、なおかつ世界的有名な大学での一般教養を勉強出来るのは最高だなぁ。』

『ですよねぇ?それに、一般教養での3年間は寮生活ですがAIにより精神状態や身体状態などさまざまな状態を敏速に感知されて、勉強漬けにならない環境や部活動も活発ですし、なおかつ、1人も脱落者を出さないように学校を上げてバックアップする徹底ぶりですから。といっても、誰もが入れる大学ですので更正施設も兼ねているので、最初の1年はかなりしんどいらしいですよぉ。礼儀作法、言葉遣いなどの一般的な社会常識を徹底させる為に電流が流れるバンドをはめられるとの事ですよぉ。』

『そうなんだぁ…。でもねぇ?誰もが入れる大学はたいていは国際防衛医科大学付属高校から入る人が大半で軍隊並みの規律を教えているから、大学に進学する時にはかなりの差がついているらしいって…。中学の時は札付きの悪だった人が大学で合った時は別人になっていて、大学では生徒会長になり、今では防衛省の高官になっていますからねぇ。』

『そう言えば、最近は選挙をしないでAIによる選別により、国会議員になっているねぇ?』

『そうですねぇ…昔は国会議員の2世やタレント議員が多くて、派閥争いが頻繁にありましたからねぇ?有名な大学に入れば勉強しない環境がこの国を悪くしましたからねぇ。やっぱり、環境は大事ですねぇ?』

『そうだねぇ。』

『そう言えば、大塚首相や大杉官房長官や湯川防衛大臣も国際防衛医科大学出身でしたねぇ?』

『違うよぉ。国際防衛医科大学大学院出身だよぉ。政府高官になる人は最近では大学院で文武両道のエリートがなれるのさぁ。』

『そうですねぇ?でも、中学時代はパッとしなかったみたいですよねぇ?』

『そうそう、そうらしいねぇ…』

『まさかあの人がねぇ…って…感じらしいですよぉ。確か…防衛大臣の湯川大臣は母子家庭で生活保護だったらしいですよねぇ?』

『そうそう、そうだったらしいなぁ。今では、この国の舵取りまでするようになったから、国際防衛医科大学付属高校は生活困窮者に取っての命綱だなぁ。』

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