第二章〜モアナウイルス蔓延!

第7話 AIに囲まれた世界〜天からの誘い

 新田 悟(48)はかっては有名なバンドのギターリストだった。

大学を卒業後もギターリストの祖父で有名な新田 大和の指導の元、20代の頃から活躍していた。 

新田 大和はすでに当時は150歳を越えていたが冷凍解凍を経て50歳であった。

そんな祖父のおかげもあり、バンドは日本中で有名になっていた。

バンドを解散して、ソロになると世界中からオファーを受けて活躍していた。

しかし、そんな矢先に50年ぶりに悪夢のウイルスが発生したのだった。

その名は『モアナウイルス』。

もともとはコロナウイルスを撃退する最高のウイルスだった。

コロナウイルスを含めインフルエンザ、ノロウイルスなどを撃退する効果を知った世界中の企業は『モアナウイルス』を使った殺虫剤や消臭スプレー、エアコン、空気清浄機など開発した。

その為、『モアナバブル』が起き、世界が潤い、モアナウイルスが集まると熱をおびる事を知った事に便乗した国は火力発電ならぬ、モアナ発電所やモアナ車の開発を広げていった。

モアナウイルスが日々の生活に必要になってから50年以上の歳月が経過したある日、事件は起きた。

たまたま、害虫駆除の為に、30年モアナウイルス入りの殺虫剤を撒いた松が急に枯れたのだった。

まぁ、そこまではよくある話だと思ったが、モアナ入りデオドラント消臭撃退『モナ』を30年間愛用した脇が壊死してしまい両手を切断する騒ぎが世界中で勃発した。

両手を切断した女性の話を聞くと脇が急に熱くなり氷で冷やしても元に戻らず火傷のような状態が急に起こり、壊死したとの事。

そして、モアナ発電所で急に爆発がおこり、赤色の煙が溢れて発電所の周囲50キロを焼き街を破壊したのちに上空に消えてなくなったのであった。

しかし、街のあちこちでモアナウイルスの被害が蔓延し、赤色の煙が街中に広がったのだった。

最初、モアナウイルスが蔓延した時は、赤色がついているから、防げると軽んじており、昼間は避ける事が出来るが夜は目に見えなくなる為に、朝になると被害が深刻になってしまったのだった。

そんな事件が各地で起こった時に、赤色の煙が立ち上り、モアナウイルスを右手で触ってしまい大事な右手が壊死してしまったのが不幸の始まりだった。

義手を作ってみたり、アンドロイドの手を入れたり、あらゆる事を行ったが、昔のような演奏が出来なくてなってしまったのだった。

しかし、ギタリストとしての才能があり、世界的に有名だった為に、マスメディアからは音楽番組やプロ育成の指導者として呼ばれるようになったのだった。

その金額はプロのギタリストだった時よりも収入が増えたのだった。

そんなある日に有名な映画監督の記念パーティに招待され、人気女優と知り合ったのだった?

『あれ、ギタリストの新田さんですよねぇ?世界的に有名ですから、こんなところで逢えるなんて夢のようです。』

『いえいえ、私の方こそ、最近ではシャンプーなどのCMなどで見ない日はないぐらいですよねぇ。活躍されてますねぇ?』

『そうなのぉ、多忙で大変。あぁ、でも、本体は今は休んでいるわぁ。』 

『えぇ、どういう事ですか?知りたい?』

『もちろん、知りたいですよぉ。最近は、睡眠時間、2時間で移動中に睡眠しているぐらいですから。』

『しょうがないなぁ。新田さんだけにこっそり教えるので、ネオ東京ホテル1025号室に来てもらっても良いかしら?』

『えぇ?突然、ホテルの部屋は流石にまずいですって!』

『マスコミに狙われるのがまずいのかしら?それとも、世界中で有名になってもその程度なの?少し、ガッカリだなぁ?』

『いやぁ、そんな事はないって!』

『なら、ネオ東京1025号室に来てもらえるわねぇ?』

『解ったよぉ。約束する。』


ピンポン。

『あらぁ、来てくれたのねぇ?ありがとう。入って。』 

『あぁ、どうも新田です。』

『ところで、何を飲みます?シャンパン、ワイン、ウィスキーなどありますけど?』

『なら、ウィスキーの水割りでももらおうかなぁ。』

『はい、お待たせ。はい、どうぞ?』

『あぁ、ありがとう。』

『ところで、先程の話は本当何ですか?』

『もう気が早いなぁ。少し、話を聞かせて欲しいけど大丈夫かしら?』

『モアナウイルスで右手が壊死した事は聞いていたけど、私もモアナウイルスで身体の半分が壊死してねぇ?半分が自分の身体ではないのよぉ。知っていた?』

『えぇ?そうなんですか?』

『単刀直入に言うわぁ。私を抱いて欲しいのぉ。』

『ちょっと、待って下さいよぉ。それは出来ないですよぉ。』

『冗談よぉ。世界中で有名なギタリストの新田さんの反応が見たかっただけよぉ。とは言いながら、モアナウイルスで身体の半分が壊死した話は本当よぉ。』

『ちょっと、いきなり服を脱ぐのはまずいですって?』

『ビックリした?』

『でも、綺麗な身体をしてますねぇ?壊死した身体には見えないですよぉ。』

『本当に?これでも?』

『えぇ!…。』

『ねぇ?すごい身体でしょ?でも、アンドロイド皮膚のおかげで綺麗でしょ?』

『そうですねぇ。』

『私達は『命』があって幸せですけど…いつまた、モアナウイルスが蔓延するか解らないわぁ。だからねぇ?今、これを使っているのぉ?試してみる?気持ちが楽になるわぁ?』

『これは?』

『アンドロイド脳移植ドラッグよぉ。』

『簡単に伝えるけど、私の身体は今は、ベッドで休んでいて、今はアンドロイドの身体に私の脳がドラッグによって一時的に移植状態にあるわぁ。』

『それって、もしかして違法ではないのですか?』

『そうよぉ。それがマスコミや特殊警察にバレたら芸能界から引退よぉ。どうする?試してみる?』

『流石にまずいですって?』

『という事はやらないという事?』

『そうなりますねぇ。』

『なら、秘密を知った以上死ぬ事になるわぁ。』

『冗談ですよねぇ?』

『バキューン。』

『次は狙うわよぉ。どうする?命が欲しくないなら次は本気よぉ。』

『解りました。やります。やらせて下さい。』


その後は、特殊警察に捕まり転落の一途を辿りホームレスになったのであった。

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