第8話 AIに囲まれた世界〜これから

あれから、私はどのようにして、生きてきたのか解らないでいた。

というのも、私の身体は厳重に管理されてしまいアンドロイドの身体を持ちながらホームレスの生活を送っていたからである。

五感を取り戻すのは五感ウォーターを飲まなければならないが今まで五感を取り戻す事をしなかったアンドロイド脳移植ドラッグ依存症にはきつい拷問を受ける魔の飲み物であった。

しかし、たいていの人は五感ウォーターを飲み自分の身体を取り戻し規則正しいレンタル父親の道を歩み更生されるのであるが、アンドロイド脳移植ドラッグを飲み続けていくと朝から夜まで五感ウォーターの空き缶回収を行い、アンドロイド脳移植ドラッグを買う生活をするのであった。

しかし、アンドロイド脳移植ドラッグがなければ、充電が切れた廃人のようになってしまい、廃品回収で運ばれて解体されてしまうのであった。

アンドロイドの身体の為に、痛みや悲しみなどあらゆる五感はなくなり夢も希望もない日々を生きていた。

そんな時に、社会福祉士の米山 幸治(48)にホームレスになり、路上で倒れていた私は助けらされたのだった。

『大丈夫ですか?五感ウォーターです。まずは、これを飲んで下さい。』

『痛い。苦しい。ウォ〜!助けてくれ!誰かぁ!涙が止まらない。身体中の痛みが抜けない。ドラッグをくれ。頼む。アンドロイド脳移植ドラッグをくれ!五感ウォーター何て飲ますなぁ!』

『ダメですよぉ。絶対に上げません。アンドロイド脳移植ドラッグがかなり入り込んでいましたから、依存症の症状が抜けるまでは苦労しますよぉ。』

『頼む。楽に死なせてくれ。この通り。』

『だめですよぉ。自分の身体を取り戻す為には、私に保護された段階でアンドロイド脳移植ドラッグ更生施設に入って頂きます。以前の身体を取り戻す為に頑張って下さい。』

『やめてくれ!俺は何処にも行きたくない!これで十分幸せなんだぁ。』

『アンドロイドAZ19758確保しましたので至急応援願います。暴れて1人では対応出来ません。』

『はぁ、わざわざこちらから応援って…こっちも人手が少ないだよぉ。アンドロイド脳移植ドラッグ依存症に構ってはいられないって?』

『違うんですよぉ。お宝です。あの有名な新田 悟ですよぉ。』

『何?あの有名な新田 悟かぁ?解った。急いで駆けつける。よくやった!』


数分後

『バタン、やっと見つけたよぉ。新田!俺たちは何度も見つけても、色々な邪魔が入りかくまってこられたがやっと確保出来るよぉ。それにしても、惨めだなぁ。賞金が2桁になったら路上に放置とはなぁ。まぁ、懸賞金が増えるアンドロイド脳ドラッグ依存症を増やす闇組織もあるから、私達の仕事はイタチごっこではあるけどなぁ。』

『チクショー、俺には構うなぁ。』

『うるさいぞぉ。新田!バーキュン!!』

『えぇ!大丈夫何ですか?』

『大丈夫だぁ。一時的に眠っているだけだぁ。ほらぁ、お前も乗れ!』

『えぇ、すごいですねぇ?この車?タイヤがないですねぇ?』

『リニアカーだけど、プラチナシティではあたりまえだけどなぁ。』

『そう何ですか?知らない事が多いですねぇ。すべてが驚きですよぉ。』

『あぁ、そうかネオ東京の第一エリアには大きな壁があるから、一般市民は300年入国した事がなかったからなぁ。今回、第一エリア地区の住民がアンドロイド脳移植ドラッグの依存症だったから入国出来たにすぎないからなぁ?』

『もしかして、私達が知っているネオ東京は巨大なんですか?』

『もしかして?知らないで生活していたのか?この国は3つのネオ東京から出来ている。1つはこれから行く第一エリア地区ネオ東京プラチナシティでそして、君が社会福祉士として働いている第二地区ネオ東京センターシティ、そして、第三地区ネオ東京フリーダムシティとして、存在している。とはいえ、生まれた瞬間からAIに選別されて管理されて、すぐに親元を離れその後、逆輸入で新しい親元に運ばれる。まぁ、プラチナシティではあり得ないけどなぁ。だからこそ、センターシティは常に依存症が多くなる。フリーダムシティはセンターシティにいけなくなった住民やアンドロイドなどが住んでいる。法も秩序もない世界とはいうがフリーダムシティでも法や秩序はあるみたいだけど?とはいえ、刑務所だけはあるなぁ。』

『それって、優性主義の思想ではないですか?』

『おぉ?流石だなぁ。その通りだよぉ。でも、先進国は福祉国家なんだぁ。知っているとは思うけど福祉国家で有名な北欧の国は、優性思想や優性主義の国なんだぁ。福祉国家の裏側は障害者の根絶の為に不妊治療を行っていた。その数は600万とも1000万とも言われている。もちろん、ネオ東京でも同じような事をしてるさぁ?』

『でも、私は、ソーシャルインクルージョンや地域共生社会のもと、1人でも孤立や孤独に耐えている人を救いたいだけなんですよぉ。』

『なるほどねぇ。それは正義って事かなぁ?正義は悪にもなるのは知っているかい?』

『はい、それはなんとなくですが…誰かを守る事は誰かが犠牲になるという事ですよねぇ?』

『まぁ、そう言う事だよぉ。今までの歴史を振り返ってごらん。昔は男尊女卑だった時代があり、家事や料理などは女性の仕事だった。

寧ろあたりまえだったのかも知れないが…。

しかし、歴史が流れて、マンモス団地が増えた頃、専業主婦はあまり平凡な毎日に嫌気がさしキッチンドラッカーになり不倫に溺れるような主婦も増えた。その後はご存知の通り、男女均等雇用法や派遣社員の働き方などが主流になり、今では男性よりも賃金を稼ぐまでになった。でもなぁ、その裏では年功序列制度はなくなり、仕事が出来る人が優遇さるようになった。つまりは昔は男性が外に働きに行き女性が家庭を守るのが出来なくなった。共働きがあたりまえになり、子供達はセカンドハウスと呼ばれる放課後児童クラブや予備校などで過ごすようになった。』

『時代の流れだからやむを得ないですよぉ。』

『いやいや、ネオ東京プラチナシティの住民ならまだしも、2人で合わせて35万を稼ぐのがやっとなら、共働きで生活する意味があるのか?』

『まぁ、たいていがそのレベルかと思いますが…』

『昔の年功序列が良かったと言っているわけではないが、昔は年齢=給与が普通で、30才なら手取りで30万と安泰だった。それが、派遣社員や契約社員と雇用状況は良くない。常に不安だけしかないのさぁ。やっと着いたよぉ。君はこれから手続きを行った後にアンドロイドドラッグ依存症更生施設を見学した後に、ネオ東京センターシティに送って行くよぉ。』

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る