葬儀屋の吸血鬼
先天的な
全ての鬼は後天的に成る。
それは現代社会の常識。
だから、
……。
燃やし、砕き、納める事で死者を弔う儀式。
それは、葬儀屋の仕事。
……。
友達の
清水の本家は葬儀屋を営んでいる。
可鈴の夫、
可鈴は吸血鬼の私を自宅に招くほど、自由だ。
人に飼われた吸血鬼と言っても、鬼に変わりはない。
他所の吸血鬼を自宅に招く事に抵抗感を持っている人は多い。
私が友達だから、なのか、吸血鬼なんて関係ないのか。
私は何度も可鈴から招待を受けた。
可鈴から、恭介さんの両親から止められた事を愚痴られた時は『そんなこと言って、良いのかな』なんて思ったけど。
何だかんだ、上手くやっているらしい。
自由な子だから、非常識な言動をする事はあるけど、常識を知った上で行っている事が殆どだから、手に負えない。
自由を知り、責任を重く見る、そんな可鈴は、心強い。
だからこそ、恭介さんは、可鈴を選んだんだと思う。
……。
長い間、清水家に仕える吸血鬼、
清水家にお邪魔した時、晴輝さんの都合が合えば、稽古をつけてもらっている。
晴輝さんは清水家を守るために清水家の当主と
その影響か、晴輝さんが殺した鬼は、十数体らしい。
晴輝さんは『大した事は無い』って謙遜して居るけど、それは守護を目的としているからで、十分、自慢できる数だと思う。
軍の
比較する対象が間違っていると思うんだけど。
晴輝さんは『彼と比べたら、大した事は無い』って言う。
晴輝さんはその人の事を、尊敬しているのかな。
何時か、私も会ってみたい、そう思っているけど。
私が活動している範囲は、在住している町の鬼駆除班で間に合っているから、その人と会った事が無い。
会ってみたいけど、会うって事は町が大変な事になっている訳で。
それは嫌だなって思うから、会わない事が幸せなのかなって思う。
【終わり?】
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