鬼の友達

鬼狩り、それは鬼を狩る者。


鬼を人と見なすか、それは人それぞれ。


鬼に成った私を、彼女は変わらず、友達だと言ってくれる。


……。


半世紀、その時は、人々を、街並みを、変える。


それなのに、私の友達、可鈴かりんは私を見捨てなかった。


私のお母様、悪鬼から殺されそうになったのに。


『花子が悪い訳じゃない』って私に言ってくれた。


可鈴は間違っている。


私がお母様を憎めなかったから、嫌えなかったから、お母様は可鈴を狙った。


私が嫌っていたら、きっと、可鈴は、襲われなかった。


悪鬼に襲われた後、可鈴は両親の命令で私に会わせてもらえなかったらしい。


私たちがお母様を殺した後、再開した可鈴から私は謝られてしまった。


可鈴は何も悪くないのに。


悪いのは、私なのに。


可鈴から『お母さんとお父さんってば、酷いんだよ。悪鬼に襲われるから、花子には会うなって。友達を助けたいって言ったら、可鈴に何が出来るんだって言うんだよ。確かに私は子供だし、悪鬼を退治する力なんて持ってないけど、それでも、危ないからって、友達から距離を置くなんて、最低だよ』って熱弁された。


可鈴は良い子だ。


少し、強引だけど。


そんな子だから、私は可鈴を巻き込みたくないって思ってしまう。


可鈴がそれを望んでないって知っても、そう思ってしまう。


思うけど、私は可鈴を拒絶できない。


吸血鬼になった私を友達と言ってくれる常人は他に居ないから。


【終わり?】


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