宇宙人のミイラ⁉

 カエルのミイラを見たことはあるだろうか。水のある場所に戻れなくなり太陽光で熱されたコンクリートやアスファルトの上で真っ黒になるまで干からびたカエルの姿を。


 ある日ぼくが見つけたミイラは明らかにカエルではなかった。10㎝はある体と、見開かれた獰猛そうな顔からはカエルなんて想像できなかった。流石にキツネやテンならもっと大きいはずで、コウモリにしては前足が短すぎた。色がわかれば話は別だったのかもしれないが、あいにくそいつは真っ黒に干からびていて、骨と皮だけになっていた。


 考え得る動物や生き物からは想像がつかなかったぼくが真っ先に疑ったのは宇宙人だった。多くの人が興味を持つのと同じように当時のぼくもUMAが大好きで、同じくUMAや生物が好きな親友に電話を掛けた。


「宇宙人のミイラを見つけたんだけど、一緒に調べようぜ」


 そう伝え、すぐに遊びに行ってミイラを見せると親友も首をひねった。本当に宇宙人かもしれないと思いつつも、二人で図鑑を見ていくと唯一それっぽい生物がいた。


 それはムササビだった。確かに膜っぽいものが体の周りに残っていて、干からびた顔は肉が残っていればムササビのものになるかもしれない。


 そう思うとすごく肩透かしを食らったような気もするが、それでもムササビも見たことはなかったのですごく楽しい時間だった。ミイラを発見したのは田舎とはいえ住宅街なので、まさかそんなところにムササビが住んでいるとは思わなかった。


 これはこれで、ぼくたちにとっては十分大きな発見だった。

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