第14話



「場所を変える」


そう言うと、女の子と私は真っ暗闇に包まれた



「ここは…」



「''無''よ。」



「無?」


「そう。」



何を言ってるんだろう…。


(あ!そんなことより!)



「ミナは!!サチは!!」



「死んだ」



そう冷たく言い渡された現実に涙が出た



(私のせいで…)



「あなたが望んだの。復讐帳へ描いたことは実行される。必ずね」



サチに似た女の子は私を見て告げた



「次は貴方の番」



(どういうこと?)




「私の番?私…しぬの?」




「ちがう。貴方には復讐代行人を引き継いでもらう」



女の子は表情もかえずに言い放つ



「復讐代行人?」



「そう。復讐帳へ書き込まれた人物へ復習代行するのが使命。」



「そんなことできないよ…」



「何故?」



「私、学生だもん。それにさちとみなへしたことへの罪を償わないと…」



「あなたの存在は消える。それに復讐代行人として貴方は罪を償うの。」


「どういうこと?」


「その復讐帳を開いてみなさい」



いつの間にか私の手元に復讐帳があった。


そして、言われたとおり、開いてみると…


ーーーーーーーーーーーーーーーーーー


【ルール】

このノートを受け取った貴方は、人一倍の恨みつらみを抱えている。

その恨みの相手にこのノートで復讐をすることが可能となります。

名前だけを書くとランダムで復讐内容が実行されます。

詳しく内容まで描きたい人は名前の下に復讐内容を記載してください。

速やかに実行されることでしょう。

実行される時間指定日付指定は不可です。

復讐の様子を描くとより早く確実に実行可能です。

但し、


ーーーーーーーーーーーーーーーー



ここまでは知っているルールだった。


だが、



「但し、自分が受けたこと以上の復讐もしくは、人を死に追いやる復讐をした場合、ルール違反とみなし、復讐代行人として契約が成立する…?」

「こんなの!きいてないよ!」



「この続きは契約が成立したら見えるようになっているの。」



「そんな…」



「貴方は復讐代行人として契約がなされたの。それに、復讐代行人を引き受けない場合、貴方はもっと辛い目に遭うわ」



「辛いめ…?」



「そう。貴方が引き受けない場合、永遠に苦しみと悲しみを味わうの。実際にどうなるのかはわからない。」



「そんな…」



「復讐代行人引き受けてくれる?」



女の子は私への視線を外さない


「でも!復讐代行人を引き継ぐってことはまた私のような人が現れたら私から引き継がれていくんだよね?」



「そう。」



「なら!そのあとは?」



「復讐代行人の役目を果たせば無へ帰るの」



「無?」


「そう。この真っ暗な空間でひとりぼっち」


「そんな!」


「わたしもそうなる」


そう言いながら女の子は顔色ひとつ変えない。


「貴方は嫌じゃないの?」



「私にはもう感情はない」



「感情が…ない?」



「復讐代行人となったとき、感情、存在、記憶、周りの人間の周知全て消える。」



「私の存在がなかったことになるの?」



「そう。そして、復讐代行人としての使命だけが残るの。」



「……あなたもかつては生きていたの?」




「そう。」



女の子は表情ひとつかえない。


感情が本当にないんだ。



「サチの家族なの?」



「わからない。でも、そうなのかもしれない。」



「これだけ似ているんだからきっと、そうだったんじゃないの?」



「今はもうわからない。」



わたしもこうなってしまうの…?



「復讐代行人は逃れられない使命」


そう、女の子は告げた



(……。私は取り返しのつかない罪を犯したのね。)



サチもミナへも私はやられたこと以上の仕打ちをしてしまった。


これは、仕方の無いことなのかもしれない。



「…わかりました。引き受けます」



感情がなくなることや記憶がなくなることが唯一の救いなのかもね。


そう思い、諦めて目の前の女の子を見た。


「じゃあ、これを付けて」


女の子が、付けていた青いネックレスを外し、私に渡す。


「これは?」



「これをつければ全て消えるの。そして、使命だけが、残る。そして、貴方はこの世のものでなくなるの。」



青いネックレスは宝石でもなく、なんとなく燃えているような気がした。


青い心臓?


そんな表現がしっくりくるのかもしれない。


まるで生きているかのようにどくどく動くネックレスできみがわるい。


「わかった。」



私は覚悟を決め、そのネックレスを、首に通す。



そして、通し終えた瞬間に



私の目の前から女の子は消えた。





そして








《復讐代行人》



という使命だけが私に残っていた。




〜カレン編END〜

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