第13話
次の日、
サチもミナも今のところ変わりがなかった。
(はやく、はやく!)
焦る気持ちと裏腹にサチ、ミナは仲良さそうに昼食をとっていた。
だが、ミナはまだ私をちらちらと気にしている様子だった。
でも、それに気づいたのかサチはミナに命令した
「ミナ、カレンの弁当ひっくり返してあげなよ。」
にやにやしながらミナに言い放つ
「…へ?」
ミナは青ざめてさちを見た
「…できないの?」
サチがみなを睨む。
ミナはサチのその顔を見て逆らえるはずもない。
ゆっくりと私のところへやってきた。
私の目の前に出されたお弁当。
このお弁当箱はミナとおそろいにしたんだっけ。
そんなことを思いながらミナがひっくり返すんだろうと諦めていた。
その時
「…もぅ…イヤ」
そう呟いて、ミナは教室から走って出ていってしまった。
ガラッ
「ミナ、!?」
そして、サチはみなを追い掛けて行く。
(ミナ…。っ!?もしかして…)
私は、嫌な予感がして屋上へ向かった。
ガチャっ
屋上の扉を開けると
ミナが今にも飛び降りそうになっている。
「ミナ!?」
私はとっさにミナを呼ぶ
「!?おまえ、なんで来たんだよ」
サチは私に気づくと私を睨んだ
「ミナ!?馬鹿なことはやめて!」
私は自分がしたことへの後悔が襲ってきていた。
「カレン。ごめんなさい。私何回もカレンを…。もう嫌なの!こんな辛いの!自分が嫌なの!!」
「ミナ!」
みなが飛び降りようとした瞬間にサチがミナの手を掴んで間一髪だった。
「サチ…」
「ごめん、ミナがそんな苦しんでるなんてわかんなかったの。話そう?ちゃんと。」
さちはミナの手を必死に掴んでいる。
(わ、わたしも助けなきゃっ!)
いまなら、間に合うかもしれない!
帰ったらあの絵を消そう。そして、ちゃんと謝ろう。
そう思い、駆け寄ろうとした瞬間。
ドンッ
「「「え」」」
ミナとサチは女の子に押されて下へ落ちていった。
「いや…いやぁあああ」
その女の子は、
サチに似ていた。
そして、私の方に向き直すと
「貴方の番よ」
そう告げたのだった。

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