第12話



「ただいま。」


散々に殴られても、あざなんて目立ちもしない。


顔にできた痣はバスケでやったのだと思われているだろう。


だから


「あ、おかえりー。」


お母さんも


「ねえちゃんおかえり」


弟も何も聞きやしない。


私は帰ると同時に自室へ駆け上がり、

しばらく開かずにいた復讐帳を引き出しから取り出した。


(サチもミナもふたりともしねばいいんだ)


そう思いながら


2人が屋上から飛び降りる絵を描いた。


いちばん残酷な死を与えてやる


絵の横に必ず死ぬようにと念を込めて


大きく【死】と書き記した。



明日が楽しみだ。


笑みを浮かべ、私はその日眠りについた。

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