第9話
そして、次の日の朝
ガラッ
「サチが!!!」
ミナが勢いよく部室に入ってきた。
何事??
とみんながザワつく。
「昨日の夜、サチが車に轢かれて…」
ミナが震えながら立っていたのだが、松葉杖では支えきれなくなり、倒れそうになる。
とっさにバスケ部の子たちが支えた。
「大丈夫!?で?サチは!?」
「サチが、轢かれて…右腕が…」
右腕が骨折。そして、神経にまで及んでいるということだった。
もう右腕は動かせないかも。
と言っていた。
「そ、、、そんな」
みんな青ざめた顔で沈黙していた。
でも、私だけが
(ざまぁみろ)
心の中で笑っていた。
その後、サチは退部することとなり、当分の間は学校も休学することとなった。
そして私へのいじめも次第になくなった。
そして、ミナは私へ謝ってきた。
「ごめんね、かれん。私、怖かったの」
正直、許す気はさらさらなかった。
でも、気になっていることを聞き出すいいチャンスがきたとおもい、
上辺だけでも許すことにした
「…いいよ。正直、まだ完全には許せないけど。」
「…ありがとう。」
ミナは嬉しそうにわらっていた。
(こいつ、反省してないだろ)
そうは思いつつも、本題の疑問を口にした
「……あのさ、」
「うん?」
「ミナが見たっていう階段から突き落とした人って…」
「…、、?あ、ああ。あれね。」
「サチなの?」
「ううん。正確にはサチにどことなく似てる誰か。サチではないけどサチに似てたの」
「そっか。」
「うん。それにうちの制服きた女の子だったからサチに姉妹とかいるのか聞いても違うって否定されたから見間違いかもしれない」
そうなんだ…。とうなづいて、結局、聞いてみたもののよくわからないままその話をおえようとした。
「あ!」
「な、なに?なんか思い出したの?ミナ」
「…いや、そういえばなんだけどさ」
「うん」
「サチも事故にあった時、見たって言ってたの」
「…なにを?」
「さちに似た誰か。それに、なんか懐かしかったとかも言ってた。」
「なにそれ。」
わかんない。そういってはてなマークを頭に着けたようにミナは首を傾げていた。
(やっぱり、復讐代行人がいるんだ。)
私の中の疑問は
ほぼ確信へ変わっていた。
だが、それからというもの、復讐帳を使うことなく平和な日々を過ごすこととなった。
そして、復讐帳を持ったまま3年の春を迎えた。
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