第7話



次の日の朝


「ミナ、大丈夫?」


さち達(私以外のバスケ部)が松葉杖のミナに駆け寄っていた。


「うん。大丈夫」




「誰かに押されたんじゃないの?」



誰かがそう言って、私を全員が睨む



(いや、私ミナの前歩いてたし。)



まぁ、実質私なんだけどね。



「それが…押されたの」



ミナは言いにくそうに口を開いた



「押した人……



サチに似てた」



そう言って、サチの顔を恐る恐るミナが伺う。



(え?)


皆がぽかんとサチを見る


次第に何が起きたのか理解できなかったサチが段々と怒りモードへ入っていく。


「ミナ、喧嘩売ってんの?」


顔が真っ赤になり怒りだしそうに唇を噛んでミナを睨んでいるサチ。


「…あ、じょ、冗談だよ!うそうそ!私が足を滑らせちゃったの!恥ずかしくて嘘ついちゃった!へ、へへっ」


明らかにひきつった笑顔だが、どうにかサチのご機嫌はとれたようだ。


「へ、へんな嘘つかないでよね。」


「そうだよ。サチあんなにミナのこと心配してたのに!」


その場はそんな会話で収まったが、


私には疑問が残るばかりだった。


サチに似てた…?


しかも、誰かが私の復讐を実行したってこと?


不思議な点ばかり。なんでだろう?



それから、私は会話を盗み聞きしていた。

すると、ミナはサチにお姉さんはいないかとか、妹はいないの?とか従兄弟は?なんて質問ばかりを繰り返していた。


サチは


「いない、私は一人っ子だから。」


「従兄弟は男の年下がふたりいるけど。それが何?」


と、面倒くさそうに返事していた。


最後には、異常なまでにしつこく質問してくるミナがうざくなったようで


「なんなの!?もう!」


とキレ気味に怒鳴っていた。


「ご、ごめんね!な、なんでもないの!」


ミナはビビって涙目になりながら謝ってた。


(ミナ…何を見たんだろう)


私は復讐代行をしてくれる人がいるんじゃないかとその時、感じたのだった。

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