第5話



次の日放課後にて


何かあるかもしれないとミナを監視していたが、結局今の今まで何も起こってはいないようだ。


もしかしたら、名前だけだから小さな復讐で気づけていないのか?


それとも、復讐帳なんてただのイタズラだったのだろうか…



そんなことを考えながら階段をおり、バスケ部の部室へ向かう。


すると、


「きゃあーーーーっ」


急に悲鳴が上から降ってきた。


「え…」


振り返ると、ミナが階段を踏み外し、コロコロ転がっていく。


「ミナ!!!」


サチがミナを心配して駆け寄ると、


ミナは、痛たたっ…


といいながら立ち上がり、足には擦り傷が出来ていた。


「なにみてんだよ」


サチが私に言い放つ


「あっ、ごめん」


咄嗟に謝って、部室へ急いだ。


チラッと後ろを伺うと、ミナは足を抑えてサチと一緒に保健室へ向かうようだった。




ガチャっと部室を開けると私が一番乗りのようだった。


(えっ、ほ、ほんとに…?)


ドクドクと鼓動が速くなるのを感じる


私が、やったんだと実感があとから襲ってきた。


でも、そんな恐怖心よりも



「…はっ、あはっ、はははは」






私は神にでもなったような優越感に浸ったのだった。




バスケ部の人が来るまで私は1人で腹を抱えて笑った。



(ざまあみろ、私に楯突くからこうなったの。)


自業自得。


これからサチも同じ目にいや、もっと悲惨な目に遭わせてやるんだ。


誰も私を卑下しないようにしてやる。


そう、私は決意したのだった。

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