第6話
「シャルロット様? どうかなされたのですか?」
「あ、あの……ここは、いったいどこでしょうか?」
私は座りこんだまま、私に話かけてきたメイド服をきたエルフのような女性に話かけた。
彼女は一瞬、驚いた表情をした後、私を抱き上げると必死な表情で床に敷かれている赤いカーペットの上を走っていく。
そして、通路で出会った犬耳を頭の上につけたメイド服を着た女性に話かけていた。
彼女は、犬耳メイドに兵士へ私が湖に落ちたことを伝えるように言っている。
「あの……」
「頼んだわよ?」
「わかりました!」
どう聞いていいか分からない。
おかげで掠れた声になってしまい、私の言葉はエルフメイドと、その指示を受けて答えた犬耳メイドの言葉にかき消されてしまった。
犬耳メイドは、私を抱かかえているメイドの言葉に頷いたあと、通路を走っていった。
「シャルロット様、こちらがお部屋になります。すぐにお洋服を着替えましょう」
エルフのメイドさんに抱き上げられたまま部屋に入ると、濡れた洋服を脱がされてシルクで織られたと思われる光沢のあるドレスを着せられた。
ドレスを着せられている間も、部屋の中を見渡していると戸棚があることに気がつく。
本の表紙――カバーには見たことが無い文字でタイトルが書かれていた。
体が小さくなっている事といい。
見たことが無い文字といい。
エルフのようなメイドいい。
犬耳のようなメイドといい。
可能性がないとは言い切れないけど……。
ゼロであるとは思えない。
もしかしたら……。
もしかするかも知れない。
「シャルロット様?」
エルフでありメイドである彼女は、私のことを心配している。
けど、今後の身の振り方を考える上で、私が今いる場所の確認は絶対に必要。
だって、私の想像が正しければ……。
戸棚から本をとってもらって目を通していく。
一通り本を読んだあと、私は小さな溜息をつく。
読んでいた本を閉じると、いつのまにか見たことがない男性が私を見下ろしていた。
男性はとってもかっこよくて、私好みであった。
とりあえず、最後の確認として彼に話を聞こう。
「あの、ここって地球ではないのですか?」
そう問いかけると男性が大きく瞳を見開いた。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます