第一話 ブルートシックス 青の衝撃

私の名は「シル・フィールズ」そう呼ばれることになった。何の因果かその名前というものは意味深いものがあるらしい。シルそれは感受体という意味でフィールズはその感性を表すらしい。そんな深い名前というものがあること自体不可思議なものだ。


今まで「おい」ともあまり言われたことはない。それもそのはず忌々しい血族である因果がそうさせている。


 『ドレッジバァント』これがもっとも私を示す言葉だ。



                ドレッジバァント 

 

 それはこの世界に住んでいるものなら一度は聞いたことのある名だ。

【悪の裁決人】


この言葉の意味をいらぬ者はいない。


わしの名はレプノス・サムタリアオ 青の衝撃それ自体が名前になって久しい。もう360歳を超えておるわい


この世界の変遷を少しだけ話そう。


すべては力のゆがみからこの世界の始まりが起こった。


所謂、ジェネクスという事象だ。すべてを灰燼に喫す大きな戦が起こったらしい。それはもう凄惨で終わりのない戦いが・・・・・・人類はその大火の中から生き残り自らを戒める時が来てしまったのだった。


それから、遥かなる時が過ぎてしまった。


人類という言葉を捨て、新たなる言葉と文化、新たなる力を手にした。所謂、バァントニア『魔族』の属性を持った生物、ゴブリン、ローウッド、ドラゴン、ビバァントなどの新たなる知性体、しかも、地悪なる生物が地上を跋扈ばっこするようになったのだった。



それから、どれだけの人類とバァントニアたちの戦いが起こったのだろうか。新たなる属種レパントニアとして融合種アルサミアまで誕生するに至ったのである。



さらに、恒久なる時が流れアーク暦 2xxxx年という時間軸が新しい時を刻みだした。その月齢歴は途方もないヒトと呼ばれる属種を費やして生まれたレガシーなのだ。





 (アーク歴 21698年 冬)



レプノスとの旅も大分慣れてきた。新しい名前シルという名にも親しみが少し少女にも湧いてきた。この旅はまるで長編小説のような出来事ばかりだった。


 【青魔導士】というこのレパントに於いても非常に稀な魔導士というしかも女性だ。もう、何百年と生きているらしい。しかし、その能力は日増しに増していて衰えることは無い様だ。


「レプノス、あなたはいったいどれだけの時間を過ごしたの?」


「シル・フィールズ、いい質問だ。私は何歳でもある。この術式は何人たりともごまかせる。実際の時はそうじゃな、ざっと360年程かのぅ……」



 360年、私はまだ生まれて12だ。その数十倍もの時間を考えただけでも途方もない。ましてや、この【レパント】だ。並大抵のひと《ごじん》ではない。

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グローズファイア ブルートシックス編 ハイド博士 @mazuki64

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