第78話 真里姉と彼との出会い
後日、改めてレイティアさんと相談した私は
ちなみに、今後私は
私が名付けた訳ではないし、出来る事なら今
うん、そろそろ
ただ彼等だけならまだしも、
……さっ、切り替えて方針だよ!
まず、現実世界で数日に一度の間隔で、私がお客さん用に大量のカスレを作る。
作ったカスレはクラン共有のアイテムボックスに保管。
そのボックスを開く権限をレイティアさんにも与えて、一日に提供する数の上限を
時間は午前10時から夕方16時までとしているけれど、今のところ昼の12時までには売り切れてしまっているらしい。
ちなみにレイティアさんとライルの給料は、
私が提示した金額を聴いたレイティアさんは、『
でも食材の買い出しも全部任せているし、なにより
良く分からないけれど、この都街に住む人の
それにレイティアさんには、定期的に3人の大きな子供達の
という事で、ここ数日はとても平和で、のんびりとした日々を私は送っていた。
おかげで、ログインした日に行うようにしている
ああ、これこそ
今までどこに隠れていたというか、どれだけ遠くに旅立っていたというか、完全に消えていたでしょう? って思っていた
もう
そう一人喜びに
「マリアさん、あの子達の様子を見に行ったんですが、食事に手を付けていないようなんです」
「えっ、いつも食事だけは必ず
ちなみにレイティアさんが言うあの子達は、マレウスさん、カンナさん、ルレットさんを指している。
すっかり子供扱いされている3人だけれど、身の回りの世話を全部レイティアさんにしてもらっているのだから、無理もないよね。
おかげで私の負担はぐっと減っている。
本当にレイティアさんが来てくれて良かった。
今度、こっそり
「ええ、ここ数日食事は
「うーん……あの3人の事ですから、きっと今は食事よりも大事な作業を行なっているんだと思います。邪魔になっても悪いですし、放置で良いですよ」
「そうですか? では市場で買ってきたカボチャのケーキで、お茶にしましょう」
「いいですね。レイティアさんの買って来てくれるお菓子は、どれも美味しいですから」
都街で売られているお菓子は、
その中で、レイティアさんが選んで買って来てくれるお菓子はどれも
お茶を
と、そんな時。
離れへと続く扉が、ギギッと音を立てて開いた。
そこに現れたというか、倒れ込むように入って来たのはいつもの3人。
って、本当に倒れてる!?
「ちょっ、大丈夫ですかマレウスさん、カンナさん、ルレットさん!」
私が
「腹、減った……」
もし視線に温度という
レイティアさんの言う事を聞かないばかりか、
「レイティアさん、お茶の用意は
こちらに向かおうとしていたレイティアさんを止めて、私はそう言った。
「マリアさん……本当にいいんですか?」
一つ目は、そもそもケーキの数が少ないため、3人に食べさせたら私の分が無くなるという事。
二つ目は、言う事を聞かなかった大きな子供達を甘やかして良いのか、という事。
「ええ、仕方のない人達ですが、私はお姉ちゃんですから」
こういう形で言うのは久しぶりな気がするけれど、この3人に使う事になるとは思いもしなかった。
あっ、イベントの時にルレットさんに一度言ったっけ。
でもあの時とは状況が違うしね。
その後、カボチャのケーキを食べひとまず
「どうしてこんな事になったのか、説明してくれますね?」
私が言おうとした事を、私の後ろに
しかも私の
これはあれかな、母親ならではのスキルみたいなものかな?
私も覚えたら何かに役立つだろうかと考えて、それを使う相手にグレアムさん達が浮かび、私にはそんなスキル不要だと考え直した。
彼等なら、
何がどうして『ご褒美』なのかは、考えたくもない。
レイティアさんの
「ここんとこずっと作り続けていた奴が、ようやく完成しそうだったんだよ。それで」
「それでこんな
「いや、それは……」
「そ・う・な・ん・で・す・ね?」
その言葉は、私の後ろから一歩前に出るのと同時に。
「…………はい」
おお、あのマレウスさんがこんなにも素直に。
さすが、母は強い。
「なら、マリアさんに言う事がありますね?」
増大していくプレッシャーに耐え切れず、マレウスさんが助けを求めるように、カンナさんとルレットさんを振り返る。
そして3人は、同じ結論に
「「「ごめんなさい」」」
しっかり頭まで下げるあたり、レイティアさんの威圧は一体どれ程のものだったのだろう……。
3人が謝る姿を見届けたレイティアさんが、また一歩引いて、私の後ろに控えてくれた。
レイティアさんが
酒場の給仕をしていたという話だけど、メイドの間違いなんじゃないかな?
私は息を深く吐き出してから、3人に言った。
「もういいですよ。それで、その作り続けていた物は完成したんですか?」
「ああ、ついさっきな」
「それでマリアちゃんを呼ぶ意味でも、こっちに来たのよ」
「えっ、なんで私が関係するんですか?」
「それは見てのお楽しみという事でぇ」
これは、大人しく付き合ってあげた方が良さそうだね。
心の中で苦笑しつつ、レイティアさんに片付けをお願いし、私は3人と一緒に離れへと向かった。
久しぶりに離れの中に入ると、意外にも道具や物が綺麗に片付けられていた。
代わりに、部屋の中央に布を
「これが完成した物ですか?」
「そうだ。俺達生産トップ3人が
マレウスさんの言葉を引き
現れたのは、椅子に座る……えっ、人?
「
「これが、人形……」
綺麗な銀色の髪に、まるで雪のように白い肌。
着ている服は灰色のシャツに、黒のベストとパンツ。
「細かい説明は後にするが、お前がイベントで貰った【
なんと呼んだら良いか分からないから、今は彼と呼ぶけれど、カンナさんが彼が着ているシャツのボタンを外し、
するとそこには、私の持っている【厄災の荒御魂】がちょうど
期待するような、
カンナさんがシャツのボタンを
マレウスさんとルレットさんも、カンナさんに
それはまるで、新しい家族が生まれる瞬間を、私と彼だけで
そんな仲間に見守られながら、私は彼に【モイラの
初めにピクリと指先が動き、続いてゆっくりと頭が持ち上がる。
眼はまだ閉じられたままだけれど、とても整った顔立ちをしていた。
その
「ぐあっ!」
私は物凄い衝撃を受け、壁に叩き付けられていた。
壁からずり落ちるようにして床に倒れ込んだ私は、薄れゆく意識の中、彼の
彼は、こう口にしていたように思う。
『オレに触れるな、
そこで私の意識は、完全に
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます