第3話 起こる異変
次の日の夜、泉はコユキに職員室に来るよう呼び出されていた。
「ここのはずだけど……」
泉はキョロキョロと周りを見渡す。だが、あるのは教師が座る椅子だけだ。他には何もない。
「わっ!」
コユキが泉の目の前に急に姿を現す。
「うひぃっ!」
コユキの古典的ないたずらに泉は驚きのあまり変な声を上げる。
「あひゃひゃひゃひゃ」
泉の反応にコユキは笑う。
「あのなぁ……」
「面白いなぁ、ほんっと面白い」
「頼むから変な声出させないでくれ」
「はいはい。コホン、今日は悪霊を倒しません」
「へっ?」
「んと、今日ここに来てもらったのには理由があります」
「理由?」
「そう、ちょっと目瞑ってて」
そう言われ、泉は目を閉じる。それを見たコユキは、左手の人差し指をクルクルと回す。すると、机たちが動き出し、エレベーターを形成する。
「はい、目開けて良いわよ」
「なっ……!」
コユキの指示で目を開けると、泉の視界には机が合体して形成されたエレベーターが映る。
「なんだこれ!?」
「エレベーター」
「見れば分かるけど、どうやったんだよ!?」
「ひ☆み☆つ☆」
コユキは舌を出して笑顔を見せる。
「あぁ、うん。ありがと」
「反応薄っ! ……まぁ良いわ。さっさとエレベーター乗るわよっ!」
そう言ってコユキは泉の体を押し、エレベーターに乗せる。そして、コユキはエレベーターの扉を閉め、
「えっと、パスワードは……」
と、階数ボタンをめちゃくちゃに押し始める。
十回ほどボタンを押すと、エレベーターはゴォオという音を立てて降下していく。エレベーターは数十秒ほどで止まり、到着を知らせるチャイムを鳴らし扉を開ける。
泉の目の前には、泉の何倍もの高さがある柱が何本も立っている空間がありその中心に柱の半分ほどの高さぐらいの建物があった。
「着いたわ。ここが、悪霊対策専門組織リペルの基地よ」
「す、すげー」
「でしょ? さっ、時間もないしさっさと行くわよ」
「お、おい!」
コユキは泉の手を引き、基地の中に入る。
基地の中は、とても広く、白い部屋の真ん中に丸い机と女性一人が座っていた。
「コユキ様、お待ちしておりました。塚地様は応接室でお待ちです」
女性は、コユキを見るなりそう言い、机に置いてあるボタンを押す。すると、部屋の右壁が動き通路が出現する。
「ありがとね~」
コユキはお礼を言い、また泉の手を引く。
「ちょ、走るなよ……!」
泉も転びそうになりながらも走る。
一分ほどで扉まで辿り着く。
「ここよ」
コユキは泉の手を放す。
「はぁっ、はぁっ……」
「何? 疲れたの?」
「そりゃ走ったら疲れるだろ……」
「あっそ。人間ってほんと不便ね」
コユキは扉を三回叩く。
「コユキです」
すると、扉の奥から、
『入れ』
と、低い男性の声が聞こえる。
「失礼します」
コユキはそう言って扉を開ける。扉の先には、長方形の机を挟むように革製のソファが二つ設置してあり、その一つに坊主頭に顎髭を蓄えスーツに身を包んだ男性が座っていた。
「まぁ、座れや」
男は二人に座るよう手招きする。
「し、失礼します」
泉は男の雰囲気に怯えながらソファに座る。
「君が、泉君……だね」
男は泉が座ったのを確認して言う。
「は、はい。そうです」
「俺は塚地昭。ここの局長をやらせてもらってる」
そう言って塚地はスーツの胸ポケットから名刺ケースを取り出し名刺を一枚出す。
「あっどうも」
「早速だが本題に入ろう。今日君を呼んだ理由だが、君にはある検査を受けてもらいたい」
「検査?」
「ああ。君の体について、調べたい。お願いできるかな」
「わ、分かりました」
「コユキ」
「はい」
「彼を検査室へ連れてってくれ」
「了解です」
コユキはソファから立ち上がり泉もそれに続く。
「失礼しました」
扉を開けたコユキはそう言い部屋を出る。
「さっ、こっちよ」
通路に出たコユキは軽やかに歩いていく。五分ほど歩くと、また扉が現れる。
「里美~入るわよ~」
コユキは軽い口調で扉をノックする。
「良いよ~」
中から女性の声がする。
コユキは扉を開ける。そこには、大きな机に三枚のモニターが置かれ、その前には黒髪にポニーテールでまとめ、白衣に身を包んだ若い女性がいた。
「君が水上泉君だね。コユキから聞いてるよ。私は立花里美、ここの医療チームと研究チームを仕切ってる者だ。よろしく」
と、里美は握手を求め、泉はそれに応じる。
「よろしくお願いします」
「じゃあ早速検査しようかな。そこのベッドに横になってくれるかな」
「分かりました」
泉は部屋の右隅に置かれているベッドに横になる。
「悪いけど、コユキはちょっと部屋から出てくれるかな」
「えぇー」
「ごめんね。彼に聞きたいことがあるんだ。今度一緒に遊んであげるから」
「うぅー分かった。約束よ」
そう言ってコユキは部屋を出る。コユキが部屋を出たのを確認した里美は机から棒状の機械を取り出す。
「それ、なんです?」
「ん? これは私が開発した物だよ。簡単に言えばCTを小型化したものだね」
「な、なるほど」
「さっ、検査を開始する」
里美は機械を泉の頭にかざしそれを足元まで動かす。
「お疲れ様。検査は終わり、あとは結果待ちだ。それまで少し、お話を聞かせてもらえるかな。泉君」
「え、ええ」
泉は起き上がる。
「彼女と初めて会った時、どう思ったかな」
「ビックリしました。まさか、本当に幽霊がいるとは思わなくて」
「まぁ、普通の人間ならそう思うよね。でも彼女、普通の幽霊とは違うんだ」
「えっ?」
「彼女は私が創った、戦闘用幽霊なんだよ」
里美は続ける。
「近頃、この地に眠る神を起こして日本を滅ぼそうっていう悪霊が出始めてね。それを危惧した政府は秘密裏にこのリペルを結成した、普通の兵器じゃ効果のない悪霊に対抗するために、人間と幽霊の意識を融合させることにしたのさ。コユキは一番最初に創った試作型(プロトタイプ)。でも、彼女には大きな問題があった。それは出力の大きさに人間の体がついていけないこと。彼女の大きすぎる力は危険視された。そのため、我々は彼女を封印したんだ。適合者が見つかるまでね」
「適合者……」
「そう、君だ泉君。この学校の生徒を秘密裏に検査して君が唯一適合していることが分かったんだ」
「……なんで俺なんですか」
「さっきも言った通り、君はコユキとの適正がある。それに加え、友好関係もあまりなく情報漏洩を防ぐには最適すぎる人物だった。さらに言えば君は空手の経験があると聞く。だから、あの夜コユキと接触させてテストした」
「テスト……」
「結果は良好。君を本格的にリペルへ迎え入れることにしたのさ」
「は、はぁ……」
「まぁ、君には申し訳ないことをしたと、我々は思ってる。一般人である君を巻き込んでしまったしね。本当に申し訳ない。所長は厳格な人だからあれだけど、リペルを代表して私が謝るよ」
と、里美は頭を下げる。
「……別に構わないですよ。俺、なんで生きてるのか分からないんですから」
「えっ?」
「俺、今まで親の言う通りにして生きてきたんです。学校も習い事も全部親が決めてました。この学校にしたのも親の意見です。小さい頃は親が褒めてくれるから楽しかったんです。でも中学に上がるとさも、上位にいるのが当たり前みたいな態度を取るようになりました。その内、なんで生きてるのかなって思うようになってきたんです」
「そっか。大変だったんだね」
すると、機械からブザーが鳴る。
「おっと結果が出たようだ。どれどれ……」
里美は機械を操作し結果を確認する。そして、泉の方を見る。
「ふーん。なるほどねぇ」
と、不敵な笑みを浮かべながら言う。
「な、何かあったんですか?」
「いや、なんでもないよ。さっ、今日はもうお帰り。明日からまたお仕事があるんだからさ」
そう言って里美は泉を無理矢理、部屋から出す。
「ちょ、ちょっと……!」
部屋から追い出された泉は、来た道を戻った。そして、コユキと合流し帰宅した。
◆
◆
「計算だとまだ大丈夫なはずなんだけどなぁ」
里美はモニターを見ながら言う。モニターには泉の体が映し出されており、両腕の部分が赤く点滅していた。
「まぁ、日常生活にはまだ支障がないだろうからこのまま様子を見るか」
回転椅子をクルクルと回しながら里美は言う。
「一応報告だけしとくかな」
モニター下にあるキーボードを叩き、メールを送信する。
「コユキについてももう少し教えないとな。彼の反応、楽しみだなぁ」
里美は不敵な笑みを浮かべて部屋を出た。
◆
◆
翌日、泉は普通に登校した。泉の体に異常が現れ始めたのは、昼休み、弁当についてきた割り箸を割ろうとしたときだった。
「えっ!?」
割り箸を割ろうと一瞬力を入れた時に、割り箸が粉々になったのだ。驚いた泉は、周囲の視線に構うことなく購買に割り箸を貰いに行き、もう一度箸を割ろうとする。すると、今回は普通に割れた。
『たまたまかな……?』
そう心に思い、お昼休みを終えた。その後は特に何もなく夜を向かえた。
泉とコユキはいつもの集合場所のホールにいた。
「さぁ、今日も頑張るわよ~」
コユキが小さい腕をぐるぐる回す。
「……」
「どうしたの? 何か考え事?」
「いや、なんでもない」
「そう。なら良いわ」
そう言って、コユキは歩き出す。泉もそれに続いていく。
コユキが足を止めたのは、コンピューター室だった。コユキは教室の扉を勢いよく開ける。するとそこには、パソコンのコードをむしゃむしゃと食べている犬のような悪霊がいた。
悪霊はこちらを視認すると、
「グルルルル」
と、飛び掛かる姿勢を取りながら唸り声を上げる。
「さっ、私と意識を融合させましょ」
コユキはそう言い泉の体に入る。泉の頭にはまた膨大な量の景色が入ってくる。だが、一つだけ、はっきり認識出来る景色が現れる。それは、コユキと思わしき少女が一人で泣いている景色だった。
泉の意識はとっくに現実に戻っていたが、そのはっきりと認識した景色の所為で泉の意識は悪霊に向いていなかった。悪霊は動かない泉を見て、飛び掛かってくる。泉はそれに反応出来ない。
『来るわよ!』
コユキの声で意識を取り戻した泉は咄嗟に体を右に反らすが、悪霊の爪が泉の左肩を掠める。
「ぐっ……」
『大丈夫!?』
「な、なんとか」
『私がやるわ、体を譲って』
「……ごめん」
泉は体の力を抜く。すると、泉の目の色が黒から赤色に変わる。
「さぁ、どっからでも掛かって来なさい!」
コユキが泉の口で言う。悪霊は再び飛び掛かってくる。泉の体はさっと避け、右足で悪霊を蹴り飛ばす。悪霊が当たった棚は中身が飛び散る。
「大したことないわね。ささっとトドメを……えっ?」
コユキの目には顔が二つになった悪霊が映っていた。
「双頭犬(オルトロス)ねえ面白いじゃない。掛かって来なさい」
コユキは泉の左手をクイクイとする。それを見た悪霊は
『ぐぉおおおお!』
と、二つの頭で鳴く。そして、机を蹴散らしながら向かってくる。
コユキは右手に剣を作り構える。悪霊が噛みつこうと口を大きく開けた瞬間、右手の剣でコユキから見て右側の首を切り飛ばす。
だが、悪霊の動きはまだ止まらない。まだ動き、コユキに噛みつこうと向かってくる。コユキは素早く反応し開いた口から剣を刺し、壁に突き刺す。
頭を貫かれた悪霊は動きを止め、消えていく。コユキは右手の剣を消し、泉の体から出てくる。
「痛ってて……」
体が戻った泉は左肩を抑える。
「大丈夫?」
「まぁ、なんとか」
「あんた、もう一回検査を受けるべきよ」
「……別に何ともないから大丈夫……」
「あんた、私の記憶が見えたでしょ」
「えっ?」
「その顔、見たのね」
「……」
「まぁ、検査の件は私から言っとく。お疲れ様」
そう言ってコユキは消えた。
「……」
泉はしばらく、コユキがいた空間を見つめていた。特に何も起きるわけではないが、あの時見えた景色がまだ鮮明に残っていた。
「もしかして、里美さんが言ってた封印って……」
泉は考える。もし、「コユキが俺が適合者だと分かるまで一人だったとしたら」と。だが、帰宅すると知らせていた時間が近づいていることに気づき、泉は急いで学校を出た。
◆
◆
翌日、体育の授業の片付けをしていた時だった。泉はふと転がってきたボールを掴んだ。その時、ボールがパァンという音と共に破裂した。
「えっ……?」
泉は驚きの言葉しか出てこなかった。一緒に倉庫にいた男子生徒も「は?」と開いた口が塞がっていなかった。
「えっ、おま何したん?」
「い、いや俺ただボール持っただけで……」
「いや! 絶対おかしいやろ! 掴んだだけでボールが割れるわけがないやん!」
そう言って、男子生徒は倉庫の扉を勢いよく開け出ていく。泉はどうすることも出来ず、男子生徒が呼んできた体育教師にこっぴどく怒られた。
◆
◆
その夜、泉はいつも通りホールに居た。
「来たわね、行きましょ」
コユキは静かに言い歩いていく。泉は言葉をかけようとするが、言葉が出なかったので着いていく。
コユキが足を止めたのは家庭科室だった。コユキが扉を開けるとそこにはまな板の上で包丁をトントンと叩いている悪霊がいた。悪霊はこちらに気づくと、フシューと音を立て呼吸する。
「さっ、意識を融合させましょ」
コユキは泉の体に入る。泉の頭の中にはいろいろな景色が映し出される。今回は特に異常はなく、泉は一瞬で現実に意識が帰ってくる。
悪霊は家庭科室中の包丁を浮かせ、泉に向かって飛ばしてくる。泉はそれを調理台の裏に隠れてやり過ごそうとするが、包丁は泉を追うように飛んできた。泉は右手の剣の刃を横に広げ盾のようなモノを作り防ぐ。
悪霊は両手に刺身包丁のようなモノを持ち泉に向かってくる。泉は調理台を蹴り上から悪霊に向かって剣を振り下ろす。悪霊は包丁のようなモノを重ねて攻撃を防ぐ。泉の攻撃は弾かれ、泉は調理台の上に立つ。
「オまエ、キル。キリきざむ……」
そう言って悪霊はジャンプする。天井ギリギリまでジャンプした悪霊は泉の頭上から包丁のようなモノを振り下ろす。泉は調理台からギリギリで降りる。振り下ろされた包丁は、調理台を切り刻む。
「マジかよ……」
泉はあまりの切れ味に驚く。
『……私が代わるわ』
「分かった」
泉の目の色が黒から赤に変わる。
「悪いけど、切られるのはあんたよ」
そう言うとコユキは素早く悪霊の後ろに回り込み、左腕を切り飛ばす。
「うっ……」
悪霊は呻きコユキを右腕に持った包丁のようなモノで切り裂こうとするが、コユキは剣で受け止める。
「死になさい」
コユキは右腕を切り飛ばす流れで首も飛ばす。悪霊は床に倒れ、消えていく。
それを確認したコユキは泉の体から出てくる。
「検査は明日することになったわ。じゃ」
そう言ってコユキは調理台などを直してからすぐ消える。
泉は、調理台に置いてある菜箸を手に取る。だが、特に何も起こらない。泉は菜箸を元に戻し家庭科室を後にした。
翌日、泉の体には特に異常はなかったが、周りからの目は冷たかった。
「どうしたの? 最近変な噂しか聞かないけど」
三輪が隣の席から話しかけてくる。
「……なんでもない」
「じゃあなんで皆に冷たい視線を当てられてるのかしら?」
「……別に良いだろ」
泉は教室を出ていく。
「……」
三輪は追いかけようとするが、ほかの生徒に呼び止められたため出来なかった。
泉は、人気のない屋上に繋がる階段下にいた。
「俺の体、どうなってんだよ……」
と、拳を握りながら言う。
「今日、検査あるし里美さんに聞いてみるか」
そう言って教室に戻ろうとするが、正直教室に居づらかったので、初めて授業をサボった。
夜になり、泉は職員室にいた。職員室には既にエレベーターが創られており、泉はエレベーターの扉が開いてるのを見てそれに乗る。すると、扉が勝手に閉まり、下降していく。
数十秒で目的地に着いたことを知らせるブザーが鳴り、扉が開く。泉は建物へと進み、受付を通り、里美がいる研究室へと向かう。
「おや、来たね。待ってたよ。泉君」
研究室の扉を開けると里美はすぐそばの椅子に座っていた。
「よろしくお願いします」
「ささ、そこのベッドに横になってねぇ」
里美にそう言われ、泉はベッドに横になる。そして、里美はこの前と同じ機械を取り出し、泉の体をスキャンする。
「はい、結果出るまでちょっと待ってねぇ」
里美は、機械にケーブルを繋ぎキーボードをカタカタ叩く。
「あの、里美さん」
「ん? 何?」
「コユキについてなんですけど……」
「答えられることには答えるけど?」
「コユキは、封印されてる時って一人だったんですか?」
「うーん。そうだねぇ……」
里美は数秒間を置いてから言った。
「一人でいたよ」
「そう、ですか」
「記憶を見てしまったんだね」
「……はい」
「まぁ、そこはまた話しを聞こうかな。
「……分かりました」
「結果だけど、これは副作用が強く出てるね」
「副作用ですか?」
「うん。意識を融合させると出始めるんだ。君の握力が強くなってるのもその影響」
里美は、キーボードを叩き終わったようで、プリンターから紙が出てくる。
「うーん。やっぱり意識融合の副作用が強く出てるね」
プリントを見ながら里美が言う。
「腕を中心にして異常が出始めてるね。今はまだ他の所に異常は見られないけど、今後どんな症状が出るかわからない」
「俺は、このままだとどうなるんですか?」
「日常生活がまともに過ごせなくなる」
「なっ……」
「こちらでも出来る限りの対策もするから安心はしてほしい。それに……」
「それに?」
「今、別の戦闘人員を配置する予定らしくてね。もう少しすれば、君も少しは休めるはず」
「……」
「まぁ、しばらくはこちらが出す薬を飲みながら様子見するしかないね。はい、これ薬」
と、里美は机の引き出しから薬を取り出す。
「一日三回ね」
「は、はぁ」
「じゃ、またねぇ」
里美は泉の背中を押し部屋から追い出す。
泉は、コユキが一人でいたあの景色を思い出す。暗い空間に一人のコユキ。それがどうしても忘れられなかった。ふと時計を見ると、帰宅時間に近づいていることが分かり、泉は急いで帰宅した
そして、夜が明けた。
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