猫目のムース

飯沼孝行 ペンネーム 篁石碁

第1話 監獄惑星より含みを込めて……



 地球から宇宙へ植民をして既に1世紀。銀河系以外に地球人類が定住するようになり、物資の輸送は宇宙軍の護衛が付く大規模なものだった。

 地球外生命体。所謂宇宙人と言われる存在からの攻撃。人類が宇宙へ進出するようになった22世紀に置いて、地球人類を攻撃する存在との接触。つまりアタック・コンタクトがあった。

 嘗ては地球に生命の種を播いた神と呼ばれる存在との理知的接触があった。そこに於いて地球は宇宙の一文明圏に属する事となった。しかし当の地球人類はその事に気付いていなかった。その神の存在に気付かせる為に宗教の萌芽があった。

神の子。その存在による愛を訴える派と、所謂神の敵とされる存在との接触により、地球人類は文明の危機に晒されていた。それが今だった……。

 地球から遥か何千万光年の彼方にあるその存在への足掛かりとして、地球はその宇宙航路の整備の途中にあった。

 その為に各銀河へ中継地点としての基地建設の為の、物資・及び人員輸送の為の宇宙輸送公社。つまりスペース・トランスポート・パブリック・コーポレーション。略してSTPCがある。

 このSTPCは各宇宙方面に12分割され、その一つ一つをリーフと呼ぶ。ファースト・リーフ(時計の1時の方向)からトウェルブ・リーフまで12ある。

 その各リーフに属する物資輸送船と地球宇宙軍であるTSA(テラ・スペース・アーミー)の護衛艦が1セットとなって各方面に物資を輸送するのだ。

 このファースト・リーフに属する、所謂『鬼の鉄機部隊』。鬼門の方角へ輸送する部隊の一人が、ムース・パイサンドと言う武者だ。

 この鬼門の方角は正に海賊と呼ばれるスペースエイリアンが出没する宙域である。

 このスペースエイリアンの存在と、未だ地球連合政府は理知的なコンタクトをしていない。

 スマート・コンタクト。その文化交流・外交・折衝と言う政府レベルのコンタクトではなくアタック。つまり攻撃を受けると言うコンタクト。

 そしてその存在は常に、裏から、そう、リバース・フェイス、『裏面』から常に人類を監視して来たのだ。

 このムース・パイサンドはその最前線で輸送を行う独立戦艦。つまりVIP輸送を引き受ける猛者だった。戦艦内部に物資・人員を収納するチタン製のコアスペースを抱え、通常では護衛艦を伴う作戦任務をたった1艦で行動し、そしていざとなったら、逃げる……。VIP輸送で安全に確実に輸送する為に独立して動く。

 何かあったら逃げる。それは重要な物資を確実に届ける為だ。

 もし味方艦がいるとその制約を受け、いざとなったらの判断が出来ない。一人だと心置きなく逃げる事が出来るからだ。

 STPC一の嫌われ者、厄介者は、いつの時代を通しても、いるのだ。

 そのムース・パイサンドが搭乗する戦艦には最新のプラズマ・ワープ航法が出来るシステムが搭載されている。軽く数光年を僅か数秒で移動する事が出来た。

 ムース・パイサンド指揮下のCW乗り。つまりキャリー・ウェアと呼ばれ、主に物資搬送に使われる10m程のロボットが20機程搭載され、戦闘になったらそのCWが直接戦闘を行う。

 猫目。それがムース・パイサンドの綽名だった。そのムースに従う猫型人類のジルとミル。黒猫のジルと金猫のミル。その二人が親衛隊として、ムースが直接CWに搭乗する時に出撃する。

 ムースと黒猫のジルと金猫のミル。その三人の事をSTPC社内では、『猫神マオシン』と呼んでいた。鬼門を切り抜けるそのファースト・リーフの中で、そのムース率いる『鬼の鉄機部隊』に並ぶ者はいない。

 ファースト・リーフに搭載される最新のワープ航法とは、最初通常航法で飛行する事で、前面の吸入口から宇宙空間を漂うプラズマを取り込み、それを圧縮した後、対消滅させる事でプラズマジェットを後方に噴射する。それにより超光速を実現するのだ。

 そのプラズマ航法はCWにも応用され、自機の周囲のプラズマを生物のように呼吸で取り入れ腹で練る。つまり人間で言う丹田の部分のエネルギー増幅炉で無尽蔵のエネルギーを創出する。

 ムースが乗るCWは青色のオーラを纏う事から『青色のマギ』と呼ばれていた。

 また湯あたりしていつも酔っているようなとぼけた顔してババンバンは、ビールのブリュアーとブルーを掛けて、マギ・ブリュアー……。ヘブライのカバラで、ブリアーはいばらを意味する。

 マギ。マジシャン。青色のバイブレーションを持つ窒素。その窒素固定をする事で色々な生命体をクリエイトする事が出来る。

 容貌ようぼう魁偉かいいな宇宙生命体の素。転移RNA。科学を秘教的言語で示したい者達は、その存在を『かい』と呼んだ。怒りを茨で我慢する=スタンドする事で、何らかの契機で発動する存在=意思。自分の怒りが生み出す創造物は、その背後で具現化する。太陽に向ける顔の裏、後頭部に潜む第二の顔、リバースフェイス。

 ユダヤのハ メシャフ=インマヌエルは全ての罪人に会うとされる。罪人の顔はメシアの前で逆転しその裏の顔になる。そして加害者を憎む被害者が、恨むことなきメシアを罪の身代わりをする者として、表の顔が見えずにメシアの後頭部の顔を呪う。彼が倒れれば、過去の歴史の罪人は全て解放されてしまう……。

 生け贄の山羊は、山羊座としてのジャニュアリーであるヤヌスの1月。

 ジャニーとしてのヤヌスの鏡は、相手の顔を反転させ、左右の目を逆転させた後、ヤヌスの視交叉という言語脳の左脳と天才脳とされる右脳を繋げる脳梁で、相手の左右目を反転させる。

 愛でメシアの後頭部に来る存在と、メシアが裁く犯罪者が彼の後ろで怨嗟の声を挙げる時、メシアの影をそのルサンチマンというフランス語が怨念を意味するように、黒と白を夜と昼の中、自分が南から北を向くか南朝のメシアか、北から南を向く北朝のメシアか。彼の影は消されるか、増幅するか。

 イエスがユダの王子か、アリマタヤのヨセフの土地の名前、北朝イスラエルのサマリヤの都があるエフライム族の土地。アリマタヤの名前を持つヨセフの家族だと誤解され、偽ユダの王の汚名が着せられたのか?

 ジュエルーシュア。ジョエルはヨエル。旧約聖書にも見える名前、ヨエル。

 奇々怪々な容貌で記述される存在。言葉の合体がキメラとなるなら、言葉の定義の合体はその人間の意思の中でフュージョンしてしまう。その創造世界の物怪を脳内CTスキャンをするのは、両耳を繋げる同一周波数の電磁波。映像周波数はAM。ステレオ放送でのデジタルFMは音声周波数。KHz帯のAM長波とGHz帯のFM短波……。

 自分の顔を隠している言葉の覆いのリングを外す為、自分を苦しめる金環を、まるで孫悟空が外すように、自分より優れた存在に頭を下げる。

 天使は自分よりも高位の存在に頭を下げて、頭上の天使のリングを作るなら、罪人が自分を救って下さる存在に身代わりをして下さる存在に頭を下げる事……。

 罪なくして天使は神に従わない。原罪を全ての人類が持つなら、全て神とその身代わりをする存在に頭を下げざるを得ないのだ。

 水で頭を濯ぎ、火で頭を濯ぐのは、水で洗い、油(リンスーオリーブ油を髪の毛に塗布する。

 温泉の素、乳白色の温泉や、酸性度の高い温泉……。


 猫目。左右の目の色が違う猫神……。

 黒猫のジル。

 金猫のミル。

 二人がコアとなる猫科の動物である獅子の王『シーズ』。中国語でライオンの事を『シーズ』と呼ぶ。静かなるライオン。青が争うと書く、静かの字。元素番号7の窒素の青。その青が争うと言う、7×7=49。元素番号49のインジウム。透明化するそのインジウムにより透明な生命体としての不可視な獅子となる。正に最強の獅子としての『猫神』となるのだ。

 黒猫のジルと金猫のミルは黒と金で色を分離する。窒素と窒素を分離するように7×7で分離する。

 仏教で言えば人が亡くなって49日で成仏すると言う。あれは元素番号49のインジウムで透明化。だから霊などいない。見えないと言う。

 『猫神』としてのジルとミルの姿を見ると、ファースト・リーフ周辺の海賊は震えあがると言う。

 海賊。その出自は嘗ての地球からの移民団のなれの果てだとも言う。

 三竦さんすくみ。地球人類と。そのアウトローである海賊。それとスペースエイリアン。

 その海賊出没の最前線であるファースト・リーフ。地球を基準とする12時間方向。その地球を基準とする方向を定めたのはグランドクロスだった。

 地球を十字架に掛けると言うのは、地球を基準として、関数の座標を決定する為のグランドクロスだった。その時間を基軸にその方向性を定めた。

 ムースが管轄するそのファースト・リーフの宇宙人のタイプ。それは地球で言うヤヌスの鏡。

 ヤヌス。別名ジャニュアリー。ヤヌスとはローマの戸口の神とされる。日本では二口女とされ、好きな相手を食べちゃいたい位好きと言う妖怪。それは愛している相手を真正面で面と向かって見つめると、その相手の霊が反対に合体して相手の霊の顔が自分の後頭部に来てしまう。だから後頭部にもう一つ口がある妖怪なのだ。そのヤヌスの鏡。

 一月。英語でジャニュアリー。ジャニュアリー=ヤヌス。12月23日頃から1月23日頃迄山羊座だが、1月の山羊と4月の牡羊座。怒りを抜いた羊で始まる学校の新学期。昔ユダヤの神殿では自分の手の穢れを山羊に移し、その山羊を荒れ野に放逐していた。自分の手の穢れを金属に移す悪意ある存在も居る。静電気を帯びている人間の体から移るその人間の心……。シンクロほど恐ろしいものはない。

 人間の心の闇に救う魁。さきがけけ男塾ではないが、このファースト・リーフの鬼門から地球圏へ侵入しようとする存在。宇宙風=プラズマ電荷風に乗って侵入する魁のビジョンは、ある時期に現出する。春分の日、秋分の日。地球の時間軸が昼夜12時間ずつで24時間。

 世界樹の昼の光合成と夜の呼吸で、二酸化炭素吸収の光合成と夜間の酸素吸収。

 癌細胞は嫌気性であり、酸素を嫌う細胞。二酸化炭素を吸収する癌細胞と、植物の光合成はアミノ酸全てを合成する。万能細胞……。自分の思考体が自分の肉体で想像した心の闇の悪魔を自分から分離したのがスタンドとは言わないが、我慢していた欲望、悪の想念を普段自分の理性で抑え、我慢し、スタンドし、自分の怒りと共に発動する姿。

 自分の夜の人格を抑える為に徹夜をし、自分の心を制御する。自分の夜の人格との戦いが精神疾患としてのサイコパスに、夜更かしをする存在が多いのは、自分の超自我とリビドーとの戦いなのだ。

 理性と本能の境目にある境界線。ラインを超えるか超えないか……。

 どれだけの我慢=スタンドを出来るかで、その想念の持つエネルギーは決まる。少しの怒りの放出はエネルギーを小さくし、より大きなスタンドはその時間量に比例して、その想念のパワーは大きい。

 右目だけを明け、また左目だけを開ける。

 利目の違いで見える想念の世界。猫目は左右の眼の色が違う。その猫と目を合わせる事で、その猫神は自分に映ってしまう。

 竜造寺と一族の伝説の化け猫……。肥前藩の竜造寺一族に伝わる化け猫伝説。

 猫目で作る竜……。鬼門の龍がサタンなら、丑寅の方向と時間が午前2時から4時。子丑寅……。

 午前0時の子の刻。午前0時に御神木に打ち付ける釘と、生命の樹の呼吸。二酸化炭素を吸収する昼間の光合成。植物の夜間の呼吸は二酸化炭素を放出し酸素を吸収する。昼間の動物と夜の植物が同じ存在なら、昼間の人間と夜間の生命の樹を死の樹に変える事、同化させることでその人間の夜の、闇の時間を昼間に現出させるサイコパスが狂人化させてしまうなら、その理性と欲望を自分で制御しない限り、人格は破綻する。

 前頭葉が制御する怒り。前頭葉が発達した事で人間は怒りを制御できるようになったが、その前頭葉で体内時間を調整する事で、第三の眼を瞑りその凶暴な人格を、絆創膏か、また青森県の旧戸来村の沢田家に伝わる額の封印。十字架……。

 額に十字架を描く事で、その凶暴な人格を抑制し、その第三の眼を封印するキリスト教。十字架の単語のアルファヴェット文字を数値化した総計が777で、レメクの御宝算は777歳。14万4千人の童貞の使徒の額に描かれた神の名前……。レメクとはノアの父親。

 窒素の元素番号は7で、陽子数7個。電子数7個。中性子数7個。

 癌細胞に集まる炭素14は、窒素の放射性同位体。質量数が14個とは陽子数+中性子数。合計14個の窒素と同位体の炭素14。自分の炭素14の癌細胞は放射性同位体としてその半減期5730年間ずっと存在し続ける。

 その放射性ビジョンが残像として残る5630年間の亜空間(時間軸が停止している空間)内を自分の周囲に張り巡らせている存在の傍に近寄ってはいけない。悪意ある想念が金属に移り、その癌細胞の意識体が他人から他人へ伝染してしまうのだ。

 だからユダヤは山羊にその穢れを移して放逐した。食べ物も飲み水もない荒れ野で、断食、断水をする事で、自分の中の電子伝達系が生み出す水素で作られた水を自分の中の穢れを放出するように、そこで自分の悪意ある想念=癌細胞に栄養を与えない事で自分の中の龍、敵を追い出すのだ。

 自分の敵を言葉で作らない事で自分は救われるとしたイエス。

 しかしイエスでさえヘロデ王の娘は遠ざけた。

 王即位の誘惑に乗らず、王国を受け継ぐ事を拒んだのだ。

 言葉で発せず、ヤヌスの鏡で目で同化したモノノケには、言葉で見せるしかないのだ・・・・・・。じゅとして呪として書かれた文字を見た後、その憑依モノは自らを呪うのだ・・・・・・。

 光の無い宇宙空間の闇が生み出すのは、別の魁。水を飲まない事で分離する魁と、光を浴びない事で、光と分離したニュートリノで制御されたかい。炭素14の余計な中性子をニュートリノの弱い力で電離化させて、炭素14を炭素13に変えてしまう。中性子を電離化させて、電子と陽子に分離させるニュートリノ。水のニュートリノによる反応のチェレンコフ光は、閃光せんこう=シンチレーションで、その癌細胞検査をするが、そのニュートリノを三日間岩屋に隠れ、その呼体内の酸性とアルカリ性のバランスを弱酸性にする事で、細胞の初期化、遺伝子修復を図れるなら、暗闇にいる事で体内時間が25時間周期になる事は、25×3で75時間。元素番号75のレニウムは、北海道北方領土の択捉エトロフ島で採掘され、そのレニウムを使って、ロケットのノズルを作る。宇宙工学で必要なレニウムが、核ミサイルの噴射ノズルにも、宇宙ロケットの噴射ノズルにも使用されるほど、耐熱、耐圧の最も固い金属であるレニウムが、その択捉島で採掘されるのだ。日本の丑寅の北方領土。元素番号75レニウム。角度90度、南の方角は360度を12干支では真南は午の方角。南から75度は北から15度。90度÷6は15度。丑の方角は15度。

 烏の三本足。午後4時の申の刻。午後6時の酉の刻。午後8時の戌の刻。

 桃太郎の三匹のお伴が、午後4時、6時、8時の申、酉、戌として八咫烏の三本足が、申、酉、戌としての三羽烏とイエス・キリストの三人の重要な弟子、大ヤコブ、ペテロと、ヨハネ。大ヤコブはイエスの母親違いの兄であり、ペテロはイエスの母親マリアの親族。ヨハネの姉がマグダラのマリアとされ、雷の子ラザロとは使徒ヨハネの事であって、雷の子のヘブライ語名をバラクと言う。ゼウスに雷を落とされ絶命したアスクレピオスは、蛇遣い座としうて7月25日から8月13日までの期間、獅子座の中に存在し、13番目の黄道星座として、太陰暦と太陽暦を繋げている。

 ジュリアス=ジュライの7月の皇帝と、8月のオクタビアヌスはアウグストス=オウギュスト=オウガストの8月で、7月の皇帝と8月の皇帝を、ジュリアスの皇帝、ジュリアス・シーザーとクレオパトラ7世が、ローマに太陽暦を導入した事で、8月の皇帝のアウガスト=オクタビアヌスが即位した経緯は、7月と8月の一か月を繋げる蛇遣い座のアスクレピオスが、医療の神として、不老不死、再生医療のシンボルとされていた神話……。

 アポロンの息子で、ヒューマノイドの母親とゴッドのアポロンとの間に生まれたアスクレピオスは、母親の不倫を疑ったアポロンが、まだアスクレピオスが胎内にある時に、アポロンの弓矢でその母親が亡くなった後、その母胎から取り出された赤子がアスクレピオスだった。

 小惑星アスクレピオスが地球に最接近した1989年3月。地球に大接近した小惑星アスクレピオスが最後のインパクトを起こしていたかもしれないのだ……。

 陽の龍と陰の蛇。天と地。龍脈と天の蛇。天蛇。地龍と天蛇は、天照大神が蛇神とされるのも、天の傘。蛇の目は傘で、雨を避ける傘。日を避ける傘。太陽光を遮る雲が、年間日射量が少ない出雲で、白うさぎのような肌が白い女性が多かった地域と神話の整合性で、白い雲を通す事で、虹色七色の周波すべてを合成すると1ヘルツの太陽光電磁波と同じである理論で、アインシュタイン博士がノーベル賞を受賞した科学史の中、出雲の雲の高さで白い空間が太陽光の電磁波1ヘルツで上下を分離し、出雲の雲の高さと地上の高度で1Hzを長波と短波に分けている時、短波であるFM波は音声周波数として声のみで、神はその地域を声でしか認識出来ない。

 VHF放送での映像周波数として蛇のように大地を這うAM周波数だが、その映像周波数が天上世界にある蛇の目の世界。天上人としての雲の上の世界が、地上の世界の残像を逆さホログラムのように、蛤が生み出す蜃気楼なら、天地無用が逆転し、逆さにしてはいけないルールの天地無用が、反故にされている籠目紋の正三角形と逆三角形の合体世界になってしまっていた。

 昼と夜の逆転。ピラミッドの封建体制と額三角形で天下を取ったマジョリテイー。国民主権と君主制度の合体で、立憲君主制度として憲法で認められた君主制度が、日本でありイギリスだった。イギリス国旗の八方十字架。360度の8分割の45度。45度は開放を意味する単語の数字。

 四角形の内側、4つの辺の対角とその中間点に、磁極を交互に配置した内部の磁力線の流れが何を生み出すのか……。その磁極と電磁波を正と負にスイッチングした時、その交流周波数が逆転させた電磁場が内部で自然発生させたプラズマ空間が亜空間を生み出せば、その筐体は天地を逆転させるかもしれない。その平面を立方体としての高さの比で、三辺の合計が、60なのか、80なのか、100なのか、120なのか、140なのか、160なのか……。

 天地は無用なのか……。船が時化でも転覆しない黄金比。

 ノアの箱舟も箱型だったとも言う……。海水面より上と海面下に沈む部分。浮力を生み出す体積の空間が空いている。

 イサライ。水のある井戸と水のない井戸。水は太陽光の赤い波長を海水面部分で消してしまい、水深400メートル部分で全ての光の波長が消えてしまう。

 大地は光を遮り、枯れた井戸は地下10メートル程の深さのスケール・ラグによって、そのズレを生じさせる。地下に籠る想念。閉じ込められた意識。

 人生を重き荷を背負ってか、俯き歩く驢馬のように、太陽の驢馬としてのイッサカル族は、強制労働にも耐えうるイサク族、イッサカル族の象徴がロバ。ロバに乗ってエルサレムに入ったイエスは、自分をイッサカル族として、アングロ・イサク族。アングロ・サクソン族としての、火の儀式を通過した不死鳥。火を見る事で火事の前に逃げ出す鼠を、自分の意識体から追い出し、小脳にリンクした左右の聴覚神経が小脳と左右の耳、鼻、口を土星の輪のように繋げるサターンの輪=金環を、誰かに頭を下げる事で、その左右の耳の輪を自分の頭上に挙げて天使族の輪とするなら、誰にも頭を下げなかったサタンとルシフェルは、天使の罪の身代わり(自分の罪を認め、頭を下げた。

 また自分よりも高位の存在に従った事で、多神教ではない一神教としての天使の罪の身代わりにアダムに頭を下げたのは、代替わりの時に自分の子供に王位を継がせた封建制度の中、サタンとルシフェルが反逆した事と、そのサタンとルシフェルの頭の輪が金環として、左右の耳を輪廻のように、誰かの声が残留思念として残る時、どちらかの耳を手で塞ぐ事でその意識体を外せれば、その精神疾患からも救済出来るかもしれない。

 携帯、スマホを当てる耳の方。また端末の中の音声消去。また端末の再起動。アンドロイドが電気羊を食べる。羊の小脳機能障害で、足腰が立たないスクレイピーが、クロイツフェルトヤコブ病や、狂牛病のような運動機能失調状態を生み出す、同じ周波数による左右の耳からのインプット音声が左右の脳の機能を脳波の同期性によって失調させてしまい、左半身、右半身の機能のシンクロが胎内バランスを崩してしまう二刀流は、利き手での執筆ではなく、キーボード入力をする理系の方々に多い精神疾患なのかもしれない。

 自分の倫理を壊し、マッド化してしまうサイエンテイストを作ってしまうのだ……。

 倫理と発明。

 左の眼で見る世界。右の眼で見る世界。飛び出す映像は、エロ動画でも既に存在しているが、VRグラスでのヴァーチャルな映像は、既に目の前の虚空に、まるで一人遊びでも、独り相撲としているように存在する。 

 ヤヌス。自分の後頭部にもう一つの顔がある存在。人間の視神経の中枢は後頭部に存在する。

 利目の違い。

 同じ利目同士で見つめられると皆がヤヌスとなってしまう。

 猫目のムース。

 猫目のムース・パイサンド。

 それがあいつの綽名だった……。彼なら救える。

 新暦111年5月19日。地球連合政府高官の孫娘の結婚式のブーケとして、宇宙では高値で取引されている『黄金の薔薇ばら』が輸送される事になっている。

 その帰路に、ムース・パイサンドはいた……。

 彼なら救える。

 温泉のもとの在庫が無くならない限り……。



―プリズン・スター。監獄惑星。


 出港間際の戦艦『キャット・フィッシャー』が宇宙港に係留されている。

「エイサル君。これを預かってくれないか……」

 エイサルと呼ばれたのは、この戦艦の航海士であるエイサル・ネイサンだ。

「ペンダント、ですね……?」

「地球に残したまだ見ぬ我が子に渡したいと言うが、居所が分からないそうだ。だから、宇宙輸送公社の君に住所を調べて貰い、配達を頼みたいと言っている囚人がいる」

「囚人が? でも、何故私を特定しているんです?」

「君の能力だよ。リバース・フェイスの能力。このペンダントの残留思念を感知して、特定出来る能力。持ち主探し。宇宙輸送公社で鍛えられた君の能力に頼みたいそうだ」


「このプリズン・スターは、政治犯収容の為の監獄星。無実の罪で投獄された人もいると聞きます」


「独房ではない監獄で放り込まれる生贄いけにえの美男子が放り込まれたヨセフの記述。エジプトに売られたヨセフが奸計に嵌められ、監獄中の男の性欲を抜く為の生贄に送り込まれた時、美少年だったヨセフは夢解きの能力で監獄から助け出された……」


「態と問題行動を起こす囚人が独房に入ろうとする理由かもしれませんね……」


「それは言ってはいけない。地球連合政府に異を唱える真似はしない方が良い……」


「そうですがね……」


「しかし、これは少しでもの抵抗だよ。ちっちゃなね。美談じゃないか! 地球に残したまだ見ぬ子に届け物をして欲しいってのはね」


 エイサルは頷く。


「わかりました! 任せて下さい!」

 その時、

「エイサル!」

「わ! ムース艦長! 今、行きます!」


「プリズン・スター、出港。『キャット・フィッシャー』!」


「ハッ!」


 艦に搭乗するエイサルをモニターで凝視しながら、ムースの頭脳に閃きがあった。


「この航海、何かがある……」



 第一話 了















  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

猫目のムース 飯沼孝行 ペンネーム 篁石碁 @Takamura-ishigo-chu-2-chu-gumi

★で称える

この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。

フォローしてこの作品の続きを読もう

この小説のおすすめレビューを見る

この小説のタグ