第285話 真莉愛《マリア》

真莉愛マリアさん……」

 ポツリと僕は話し始めた。


「ン……」



「こんな時に言うべきじゃないけど……」


「何だよ……」


 深夜の長距離トラックが僕の横を轟音を立てて走り抜けていった。



 チラッと走り去っていくトラックの後部を見た。



「ゴックン……」

 意を決して固唾を飲み込んだ。

「もし良かったら…… 結婚を前提に付き合って貰えませんか」

 勇気を出して告白した。


「え……」

 真莉愛マリアは堤防の上から不思議そうな顔で僕を見つめた。



 少し青みかかった街路灯が彼女の顔を照らしていた。



「僕は…… 佑真さんのようにイケメンでもスポーツ万能でもないセレブでもないけど」


「……」



「唯一、佑真さんに負けないモノがあるんです」



「フフ……、ユーマのクセに、生意気ねェ…… なによォ~❓」


「僕は…、真莉愛マリアさんを愛してます」


「な……」

 






∠※。.:*:・'°☆∠※。.:*:・'°☆∠※。.:*:・'°☆

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