第276話 ジュリア

「ジュリアさん、この度は、御愁傷様です」

 だが真莉愛マリアおくすることなく丁寧に頭を下げた。


 さすがに役者が違う。

 冷静に大人の対応を見せた。

 


 どうやらはジュリアと言うらしい。

 渡瀬佑真の妹だろうか。それとも従妹だろうか。

 佑真同様、顔立ちが整っていた。

 ショートカットが良く似合っている。


 ほとんどスッピンだが、圧倒的な美少女だ。



「ふゥ~ン…、真莉愛あなたを佑真の葬儀にまねいた覚えはなくてよ❗❗」

 不意に、今度は背後から厳しい声が飛んだ。


 低音の女性の声だ。

 


「ううゥ……😲💦💦」

 声のした方を振り返ると、どうやらラスボスの登場のようだ。

 オーラがみなぎって迫力が違った。


 迂闊うかつに近寄ると怪我ケガをしそうだ。



 かなり若づくりをした四十歳代の美人が現れた。美少女のジュリアに良く似ている。

 


 おそらく彼女が佑真の母親だろう。



 憎しみの眼差しで真莉愛マリアを睨んだ。

 


「お義母様かあさま…… ご無沙汰しております」

 また真莉愛マリアは深々と頭を下げた。

 真莉愛が『お義母様かあさま』とよぶので間違いなく佑真の母親だ。



「よくもぬけぬけと、葬儀場ここへ足を運んだモノだねェ……

 このア○ズレがァ~…❗❗」

 真莉愛マリアを睨みつけたまま、散々な悪態だ。



「……」しかし真莉愛かのじょは黙って聞いていた。



「あの子を…… 佑真を殺した張本人のクセしてェ~ー……❗❗

 あなたの顔なんか見たくもないわ❗❗

 とっととお帰りィ~ー❗❗」

 母親は指を差し、有らん限りの悪口を並べ立てた。



「それは……😔💦💦💦」

 さすがの真莉愛マリアもタジタジで反論できない。



「はやく彼女をまみ出してェ……」

 母親が、アゴでし警備員に命じた。

「ハ、ハイ……」警備員も従わざるを得ない。



「ま、待って下さい❗❗」

 こらえきれず僕も口を挟んで参戦だ。






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