第237話 花火

「……」

 リビングを重苦しい沈黙が宿った。


『パンパンパァ~~ーン✨✨🎆✨✨』

 打ち上げ花火の音だけが、やけに耳へ響いてくる。



「あ、すみません……💦💦 ブルーになっちゃいましたねェ…… ハッハハ……😅💦💦」

 いたたまれない気持ちになって苦笑いを浮かべた。


 失敗だ。こんなお祭りの夜にする話しではない。



「ううン……😔💦💦」

 すぐにヒカリは首を横に振った。



「そうだ。ちょっと三階に行きましょ……

 見せたいモノがあるんです」

 僕は彼女に手を差し伸べた。



「えェ…… 見せたいモノ❓」

 躊躇ためらいがちに出した彼女の手を握り、僕は三階のベランダへ彼女を連れていった。



 

『パンパンパンパァ~ン✨⚡🎆✨✨』

 ちょうどベランダから花火がよく見えた。


 目の前で花火が夜空に色とりどりの大輪の花を咲かせた。




「キャァ~ッ😆🎶✨ スゴい綺麗ィ~」

 ヒカリはよろこんで僕に抱きついた。柔らかなオッパイが僕の胸板に押しつけられる。



「フフ……✨ 良かった……✨✨」

 そんなに歓んで貰えてまねいた甲斐かいがあった。



 彼女を抱きしめると、濃厚で甘美な香水の匂いが僕の鼻孔に漂ってきた。







∠※。.:*:・'°☆∠※。.:*:・'°☆∠※。.:*:・'°☆

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