第215話 和真ねぇ

イジめじゃないッてェ……😏💦💦 

 ただのだろォ~ー」

 アキラはニヤニヤと苦笑いを浮かべた。



「くゥ……😒💦💦💦」

 のお決まりの文句セリフだ。


 加害者が口にするセリフではない。


 やられた被害者が、『イジメ』だと感じるか、どうかが問題なのだろう。



 田山イズミも同じ意見のようだ。

「それはイジめてる側の言い分よ。

 ゴメンなさい。新保シンポ君❗❗」

 まるで自分が悪かったと言うようにイズミは、丁寧に頭を下げて謝った。



「いや、別に……、イズミさんが、そんなにかしこまらないで下さい……」

 決して彼女が悪いワケではない。


 悪いのはアキラの方だ。



「私は小学校の時から姿の事で……、ずっとけなされてきたわ。

 ブスな方の田山とか…… 気持ち悪い方の田山とか…… ブサイクな田山ッて……

 さんざん男子にも女子にも悪態ディスられてきたから……」

 イズミの大きな瞳が、かすかに潤んだ。



「ううゥ……😓💦💦💦」

 さすがにアキラも形無しだ。

「ああ……、ゴメン……😅💦💦 チ💟ポ……じゃなかった。新保シンポ……だっけ」

 アキラは苦笑いして肩をすくめた。



「じゃ、これからは僕の事を和真カズマッて…… 呼んでくれよ❗❗」



「え、ああ……、そうか。和真……ねぇ」

 ようやくアキラは納得し頷いた。







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