第209話 チ💟ポ ヒカリ

 パンパンと上空から花火の音が響いた。

 


 陽が傾きだしたが、まだ優に三十度は越えているだろう。

 ほんの少し歩いただけで汗が滲んできた。

 


「ねぇ、早くゥ…… チ💟ポォ~ー😆🎶✨」

 ヒカリは、僕の腕にぶる下がるように甘えた。

 金髪にラフなTシャツ姿が良く似合っている。



「いやいや…… チ💟ポじゃなくッてェ……

 新保シンポですからァ~……❗❗」

 頼むから間違えないで欲しい。



 ヒカリと二人で、夏祭りへ出掛けるのは嬉しいが、多くの来客の前で『チ💟ポ』と呼ばれるのは恥ずかしくてたまらない。



 彼女が『チ💟ポォ~』と発するたびに、回りの来客たちが僕らの方を見た。



「ねぇ、聞いてよ。今、ちょっと面白い事に気がついたァ~…✨😆🎶✨」


「な、なんですか。面白いことッてェ……」



「もし私とチ💟ポが結婚したら、さァ😆🎶✨

 私、チ💟ポ ヒカリになっちゃうねぇ✨」

 またたのしげにケラケラと笑った。



「あ……、あのですねェ……😳💦💦💦」

 ジョークにしてはサラッと、大変なことを言う彼女ひとだ。







∠※。.:*:・'°☆∠※。.:*:・'°☆∠※。.:*:・'°☆

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る